また改めて買う、「トコトコ節」 2017年11月08日

IMG_5606

日本に帰ってきたらやっぱり手元に置いておかないと、といういましろたかし先生の90年代の名作「トコトコ節」。今考えてみると80年代の作品はバブル全盛期の都会についていけない若者の姿が描かれている中でも登場人物はみんないろんな「モヤモヤ」したものを抱えていたが90年代のこの「トコトコ節」になるとその「モヤモヤ」はほとんど消えていてぼっさりした野暮天感に変わる。

後の「釣れんボーイ」などの超脱力感を考えるとこの「トコトコ節」の時はちょうど過渡期だったのだなとよくわかります。

トコトコ節 〜 釣れんボーイ 〜 新・釣れんボーイ(曇天三茶生活) この流れがたまらなく好き。しかしまた近いうちに自炊業者に送ってスキャンもしてもらおう。その際にはもう一冊買うかな。

トコトコ節 (Cue comics)
トコトコ節 (Cue comics)

posted with amazlet at 17.11.12
いましろ たかし
イースト・プレス
売り上げランキング: 158,668

引き潮 いましろたかし 2011年05月10日

うーん、これはダメだ。僕はこの「引き潮」に関しては何も感じられない。。

それでも何回かは読み返して見た。それこそ僕もこれに何かコメントをと思っても言葉が浮かんで来ない。

登場人物で出てくるエスパーがタバコで咳き込むシーンなど「気に病む」とイメージが被ることが多い。そしていましろ先生の生活を反映しているのか病院ネタが多い。言いたい放題、描きたい放題だった「釣れんボーイ」はたまらないほど面白く、共感の度合いもMAXだったが、「いましろたかし 傑作短編集」あたりから枯れたというよりもむしろ描きたいことが非常に希薄になってきているマンガという感じがして、それでもまだ傑作短編集の時はまだかろうじて面白かったが、もうこの引き潮になると面白いも何もすべてが希薄でますます大丈夫か?と心配になってきます。まあ760円という低価格が魅力か?

あまり、、、お勧めではないです。。。

引き潮 (ビームコミックス) 引き潮 (ビームコミックス)
いましろたかし

エンターブレイン

Amazonで詳しく見る

いましろたかし傑作短編集 (ビームコミックス文庫) いましろたかし傑作短編集 (ビームコミックス文庫)
いましろ たかし

エンターブレイン
売り上げランキング : 102049

Amazonで詳しく見る

グチ文学 気に病む いましろたかし 2011年05月04日

大学の旧友がタイに遊びに来るというのでハンドキャリーしてきてもらった物。5月4日、じっくりと読んでみたが、これがもう凄いったらない。しょっぱなの文章から大変である。

本当はやる気もないのに文章仕事を引き受けてしまった。
俺は漫画家として27歳の頃から18年間、商業誌に描き続けてきたが一度もヒットはない。30歳の時に結婚して女房と共働きでやってきたからどーにかしのいでこられたとも言える。
自信はあった淡々と描き続けて作品点数を増やしていけばなんとかなるのではないか・・と割とのん気だった。
4年前に目がおかしくなって緑内障だと、診断を受けた。イヤになった。視野が徐々に欠けていく病気でシャレにならない。当然手は尽くしているが、ゆっくりと視力は失われていっている。毎日、気が重く、こわい。
仕事のペースが落ちて収入も減った。なにより気力が萎えた。誰の人生でもない。自分の人生だ・・とがんばる気持ちもあるが、どーでもいいや、くだらねえ・・とやけくそになる気持ちのほうが強い。

僕はタイまでやってきてこちらで就職し、給料もそこそこもらって日本で就職するより多分プライベートの時間も余裕がある。中々悪くない生活。多少日本語の本やら音楽、繊細な文化がこちらでは数少ないというのがデメリットではあるが、そんなに大きなものではない。つい先だってから釣りに狂ってみたり(それもいましろ先生のおかげだが)というようなこともある程度できるお金と時間がある。

しかし僕も年を取る。今でちょうど35歳、今年36歳。人間30ぐらいからほぼ明確に老いる時期に入る。頭髪、皮膚、内臓など故障が目立ってくるのもこれからの時期。僕も20歳、25歳、30歳、35歳の時期をそれぞれ考えると、確実に体力の落ちや体質の変化を実感している。

今、僕の収入を得る手段はサラリーマンとしての労働。これ一本。体が壊れてしまうと一気に生活が破綻するのは目に見える。そのようになったときの経済状況は?体調は?精神状態?将来の展望など中々想像できない状況が項目だけ思い浮かぶ。

そういうところを垣間見れるのではないかと思ってこのいましろたかし先生の「グチ文学 気に病む」を読んでみた。

この本は「釣れんボーイ」の続編である。名目としては単品の本になっているが、ここに書かれている内容をちゃんと味わうには「釣れんボーイ」を読むことをお勧めします。言い方は悪いが「釣れんボーイ」で元気だった頃のヒマシロ先生、病気をして今のご意見はこんな感じです、という内容。

「もともとやる気もないのに引き受けた」
「せこく長生きしたい」
「バイクが駐禁でレッカー移動&車はバッテリー上がりで釣行中止」

極めつけはこれ、

「400字詰め原稿用紙1枚を書くと5000円が貰えた。最初はがんばったがすぐに電池が切れた
釣り日記を書いて延々と字数を稼いでいたが、あまりにもつまらないのでなんとかしてくれ
と言われた」

あまりに露骨に記される心情にちょっとたじろいでしまうな。。ここまで書くか。。。ちょっと辛いところあれどこれを書ける(と言うか、あまりに正直すぎるほどに書いてくる)のもいましろ先生のみ。僕は一応面白いと思います。と同時に本当にいましろ先生この後に何か書くもんあるのだろうかと心配になります。。。漫画家や小説家などの書き物商売の人の最後の場所に行っちゃったんじゃないかと。。。

最後の書き下ろしの漫画はもう訳分かんないことになっちゃってます。。

とかく、まず先に「釣れんボーイ」を読むことをお勧めします。

グチ文学 気に病む グチ文学 気に病む
いましろ たかし

マガジンハウス
売り上げランキング : 171856

Amazonで詳しく見る

Bang Saenでイカ釣り 2011年03月27日


↑ びびるぐらいのサイズのイカが釣れてます。エギとは関係ないですが。

土曜日に家の近くのサトゥプラディット通りにある小ぢんまりとしたつり道具屋で500Bの竿と糸、エギを買った。全部で1000Bほど。いましろたかしの釣れんボーイで紹介されているイカのエギングをやってみたかったがとりあえず聞く人もいないのでネットでざっと調べて適当に買ってみた。

そして日曜日の午後、バンコクの東約100kmぐらいの場所にあるバンセンというビーチがある町に車を走らせて初イカ釣りに出てみた。このバンセン、ビーチがあると言って海水浴場があるのかというと、あんまりそんな雰囲気でもなく、タイ人は主に泳ぐよりも砂浜のビーチパラソルの下に腰掛けてビールやらウィスキーを飲みながら海老や蟹なんかの炭焼きを食ったりするのがメインになっている感じである。そこをもうちょっと先まで行くとちょっとした桟橋と岩場みたいな場所があって、そこで釣り糸をたらしてイカが釣れないかのトライアルを行うこととする。 Continue reading “Bang Saenでイカ釣り 2011年03月27日”