また改めて買う、「トコトコ節」 2017年11月08日

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日本に帰ってきたらやっぱり手元に置いておかないと、といういましろたかし先生の90年代の名作「トコトコ節」。今考えてみると80年代の作品はバブル全盛期の都会についていけない若者の姿が描かれている中でも登場人物はみんないろんな「モヤモヤ」したものを抱えていたが90年代のこの「トコトコ節」になるとその「モヤモヤ」はほとんど消えていてぼっさりした野暮天感に変わる。

後の「釣れんボーイ」などの超脱力感を考えるとこの「トコトコ節」の時はちょうど過渡期だったのだなとよくわかります。

トコトコ節 〜 釣れんボーイ 〜 新・釣れんボーイ(曇天三茶生活) この流れがたまらなく好き。しかしまた近いうちに自炊業者に送ってスキャンもしてもらおう。その際にはもう一冊買うかな。

トコトコ節 (Cue comics)
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いましろ たかし
イースト・プレス
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クール井上―いましろたかし傑作短編集 2016年07月22日

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大学生の頃に友人にいましろたかしの作品を教えてもらってから、熱心なファンではないけれど、それなりにずっとこの人のマンガを読んでます。Wikiにあるとおりな、「初期は自意識過剰な若者の空回りを、近年は脱力した30代から40代の男性が主人公の漫画を主に描く。」、そんな感じなんです。ただ、最近のマンガは50代ぐらいの男性の行き詰まり感が行間にかなり描かれるようになってきていてご本人の加齢とともにその心象を映し出してるのではないかと思っております。

80年代のハーツアンドマインズ、この時作者も多分20代、描かれる作品中の人物たちも主に20代ぐらいの青年期。90年代の後期の釣れんボーイ、これ40代男のハーツアンドマインズで、マンガの主人公はマンガ家の暇城先生で基本的にご自身であろう。この頃はだいぶお気楽で脱力、というキーワードが似合う感じではありますが、2000年代の傑作短編集(以前は「クール井上」というタイトルで販売されてた)、この辺が50代かな。

作者の加齢とともに先々への不安みたいなものが、煮凍りのように煮詰まっていく感じが如実に感じ取れますな。クール井上も10年ぐらい前に紙の本で買って読んでいたが当初はジメッとした抜け切れない空気感が読んでて辛く、あまり好きではなかったが最近Amazon見たらkindleでも出てたんで再度読んでみたらそうでもなかった。この辺は自分の年齢が向こうに近づいていってるからか??

最近のいましろ先生の作品は「原発幻魔大戦」など珍しく社会問題などをテーマに書かれてますがそれでも自分のこと50%、社会問題20%、残りの30%は読後でも「うーんなんだったんだろ?」と首をかしげるような内容で相変わらずと言えば相変わらずなんですが、個人的に社会問題を取り扱うものは歌であれ、マンガであれ、全然気持ちが入っていかないのであまり好きな作品ではありません。。現在コミックビームで連載されてる「新・釣れんボーイ」のほうがトコトコしててずっと好き。

ちなみに新世紀トコトコ節なんて短編も収録されてます。

いましろたかし傑作短編集<いましろたかし傑作短編集> (ビームコミックス)” style=”border: none;” /></a></div>
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KADOKAWA / エンターブレイン (2015-02-17)
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