70sクロニクル、にっかつロマンポルノ 2017年12月10日

昔中学生のころ、大阪テレビの深夜放送で日本映画ノーカット劇場という番組があり、マイナーな日本映画を色々流してくれていた。

その中でよく覚えているのは、にっかつロマンポルノは他の映画とはかなり異色でなんとも言えない貧乏くささというか、地に足のついた地味さというか、映画とは思えない絵ばっかりだったなということ。

しばらくしてから、にっかつロマンポルノという作品群は傾きかけたにっかつの経営を立て直すべく予算のかからない特別な設定を排して、さらにはエロという作ればある程度の客入りは見込めるジャンルに注力してたという記事を読んで、「はあ、確かにああいう映画はお金かけずに撮れるわ。」と思ったもんである。

日活ロマンポルノ – Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%B4%BB%E3%83%AD%E3%83%9E%E3%83%B3%E3%83%9D%E3%83%AB%E3%83%8E

で、今改めてにっかつロマンポルノを見てみると、まさに70sニッポンの映像記録である。まさに自分が生まれて5歳、6歳ぐらいの頃に表を走り回っていたあの頃の日本の街並みがこれでもかというほど記録されていて、ノスタルジックの塊なんであります。

上映時間も1時間とか1時間半とか短いので見やすいし。そして最近はYouTubeやiTunesなどでもオンライン配信が可能なようでそこそこ作品が揃っている。

配信やぽすれんで美保純の「ピンクのカーテン」、森下愛子の「十八歳、海へ」などを見ましたが、何気ないスーパーで話しているシーンとかが素晴らしい。70年代後半、80年代初頭の景色がフィードバックであります。

昭和50年あたりの生まれの人はぜひ一度見て見てください。たまらなくなります。

またまた東欧コズミックなサウンドが出てました OGRE / MURALS 2017年08月27日

さて、またまたBandcamp関連ネタですが、このサイトで配信をやってるOGREというアーティストの音源がいい感じに東欧コズミックシンセサウンドでした。

このOGREはどうもイングランドの映画音楽やゲーム音楽を作ってるコンポーザー・プロデューサーの別名義らしい。80sのシンセが大好きらしく他のアルバムを聞いてみると音の感じがもうちょい80年代っぽい(それでもSFディストピアな感じの映画に合いそうな音楽ばかり)が、このMURALSというアルバム(それでも15分の曲x2という構成)は遡って70年代の東欧映画あたりでよく使われていたようないなたいアナログシンセ宇宙音楽。やっぱりワシ、この系統の音楽はツボですな。シビレますわ。

いやー、Bandcampいいですなー。こういうメインストリームになり得ないニッチな音楽趣味ジャストミートを粛々と作成しているアーティストにしっかりキャッチアップできるのが楽しいです。

Van Der Graaf Generatorの「Godbluff」 2017年01月07日

最近のお気に入り盤は英国のVan Der Graaf Generatorの5thアルバム「Godbluff」であります。

Van Der Graaf Generator(以下、VDGG)は大学生の頃にユーロプログレをよく聞いていた際、1998年だったかDIGという音楽雑誌でこの「Godbluff」が名盤として取り上げられていました。

それからしばらくしてVDGGの何枚かをレコード屋のワゴンセールで見つけて聴いたりしたが、特段トリッキーなところもないし正直あまり好きなバンドではなかった。

しかし、最近改めて聴いてみると歳を取ったせいか割とじっくり聞ける。特にこの「Godbluff」は地味〜に重たいリズムをベタベタ捏ねくり回し、実にプログレの音色といったオルガンと金管の音、ドラムもテンプレ的なおかずの多用、どちらかと言うと歌というよりはアジテーション的なピーター・ハミルの唄。むせ返えるぐらい典型的なプログレ臭です。高円寺の喫茶プログレの夜を久しぶりに思い出してしまう空気感。

技巧的な印象は与えないけど、でもこのバンドは?と聞かれるとプログレと全員が答えるであろう音作りがハマるときはツボにハマりますな。

mp3なんかで聞いてたらあまり意識しないが、4曲しか収録されてなくて、どれも10分弱の曲でA面2曲、B面2曲。プログレですなー。

他のも聞いてみたくなってロシアの格安mp3サイトgolden mp3で「Still Life」や「Earth Record」なんかを買ってみた(ここはmp3のサンプリングレート192kだけどアルバム一枚が1ユーロで買える)が、「Godbluff」ほどグッとこない感じですな。

根拠はないけど芋焼酎お湯割濃いめと相性のいいアルバムかなと。日本の冬の夜長に芋焼酎の湯のみ片手にピーター・ハミルのがなり声を味わってみるのもいいんではないでしょうか。

Godbluff
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70s Cosmic Sound, Solar Bear “Supermigration” 2013年05月10日

Solar Bears ‘Supermigration’ film from Planet Mu on Vimeo.

うーん、個人的にこういうサウンド、旋律はツボなんだろうな。

μ−Ziqのマイク・パラディナスがやっているPlanet Muというレーベルから出ているアルバム、”Supermigration”にスコーンとハマりました。作っておられるのはSolar Bearsという二人組のユニット。

70sなアナログシンセやオルガンが前面、広大な宇宙空間にAlone、一人ぼっち的な孤独サウンドを聴くとなんかグッと来るんですわ。何が原体験なのかよくわからんのですが。。。でも70年代サウンドだから自分が5歳までのリアルタイムで考えると、小さいながらも家で見ていた日曜日だったか土曜日だったかの朝方にテレビで今週の洋画紹介みたいな番組がやっていてそこでこういういかにも70年代っていうようなBGMがバンバン流れていたような気がする。僕のNYディスコ・サウンドでグッと来る感覚なんかはあきらかにココからだと思うんだけど、このCosmic系サウンドもココからなんだろうか。。

Solar Bears、プロファイルでも70sのプログレッシブ・ロックのサウンドに影響を受けてコズミックなサウンドを展開うんぬんみたいなことが書いてある。純正ヨーロッパ系薄暗いコズミックサウンド。ユーロ系のこういう音色ホントにたまらん。音は上のVimeoの動画からどうぞ。

しかしPlanet Muの音源、Soundcloudでもアルバム丸々一枚聴けるようになってる。。でもまあホントに気に入ったら買うな。iTunesかPlanet MuのWebサイトから直ダウンロードで。


↑ こちらSoundcloudでアルバムまるごと試聴。

Planet Mu Records
↑ Planet Muの音源販売URL。

しかし、Planet Muのトップページ、New Releaseのアルバムのジャケットが当然ながらリストアップされてるんですが、このレーベルのアルバムジャケってそれこそ70sプログレだな。レーベル自体の毛色が70sプログレ、宇宙サウンドなんか。。今の御時世のジャケだとはにわかに思えんというこのレーベルカラーは非常にいいと思いまっす。

Supermigration
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