まんが道のキャバキャバキャバ 2015年06月11日

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この「まんが道」のページ。森安なおやが突然「キャバキャバキャバキャバ」と訳のわからないことをわめいてるページですが、藤子不二雄A先生なので不条理な漫画は書くことはないと思うんですがこのキャバキャバキャバだけはそれまでに伏線もなくまったく意味がわかんない。。。

そしてやはり「まんが道」とGoogle画像検索した時にもこのコマが出てきて、

というつぶやきも見られます。。。で、また調べていきますと、

『まんが道』の中で、主要な作品発表の場であった『漫画少年』が廃刊になったことにショックを受け、突然「キャバキャバ」と哄笑する場面が印象的に描かれているが、この「キャバキャバ」は本来、当時のトキワ荘仲間で流行った造語(「やれやれ」「どうにもならない」という意味)として使われていた言葉である。他に「ピーマンバイ」など。

森安なおや – Wikipedia

とのこと。これ、説明ないとわかんない。。。

まんが道 Kindle版 2015年06月01日

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Amazonでなんかの本を検索してた時に偶然見つかった「まんが道」Kindle版。小学校の時に確か藤子不二雄ランドで読んだきりだからはっきり言って30年ぶりぐらいに読むかもしれない。

しかし小学校の頃結構熱心に読んだ気がするけど大学生、社会人になってそれなりに自由になる金も持って、小さい頃に見た本、マンガ、映画、音楽なんかを買い揃えたりもしていたが、ずーっとこのまんが道はお目にかかることがなかったな。って言ってもWikiとか見てると普通に2013年まで続いていたのね。

藤子不二雄 – Wikipedia
まんが道 – Wikipedia

改めて読んでみるとやっぱりようできてますな。これだけネットでいろいろ自己啓発系のサイトが溢れてて「成功するには」とか「好きな道をいく」などのトピックで論じられるポイントなんかが1970年代や80年代あたりの作品でもそれらの要素がばっちり散りばめられていて、プラス恋愛や、挑戦、挫折、努力、突破などの話の流れが青春物語で楽しい。

久しぶりにトランジスタが世に溢れる以前の社会のリアルなストーリーを見たような気がします。今ではPCが一瞬で罫線なんか引いてくれる世の中で、改めてカラス口をインクのボトルに突っ込んで画用紙に定規を使って線を引いていく描写を見てると世の中の変遷に愕然とするものであります。

カラス口 – Wikipedia
↑ カラス口、と言ってもわからない人のために。僕もマンガで出て来たら思い出せたけど映像がなければ「カラス口」と言われても思い出せなかったと思う。

現在Kindle版の9巻まで読破。止まらない止まらない。一冊432円。

まんが道(1) (藤子不二雄(A)デジタルセレクション)
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吉村昭の三陸海岸大津波と羆嵐 2015年04月21日

kishin
“kishin by itsumademo tanoshimi~, on Flickr”

吉村昭の三陸大津波を読んでいる。飾り気のない吉村昭の淡々とした語り口がNHKの冷静なドキュメンタリー番組の語りみたいで良い。

しかし読み物を読んで、三陸大津波の想像を絶する地獄絵図を頭に思い描く、という事もすでに今は現実として起こってしまいyoutubeでいつでも何回も見直す事が出来る世の中。。。

想像を絶するその景色でさえ手の中のスマートフォンで再生される環境を持ってるのでありますな。我々は。

だから不謹慎承知で言うと2011年まではドキドキした感覚で半分野次馬感覚で読めた本だろうが、今はもう現実の映像があるわけで頭の中の想像でドキドキすることは半減している。911のジェット機自爆テロ、311の津波で自分たちが生活する街が映画のように壊滅的に破壊される映像を見て、想像を絶する世界というのは具体的に少なくなってきていて、これだけ現実の衝撃映像がある中で映画が辛気臭く思えるのはしょうがないことかも。

そう考えると、映画や他の映像作品でも描かれていないもの、それこそ同じく吉村昭が描いた肉食動物・草食動物の世界よろしく生きたまま食べられる人間。今これ以上の場面はないはずですな。

だからあの「羆嵐」をあれだけの没入感を持って読めたのかという事が後になってわかったのです。。

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羆嵐
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魚影の群れ
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↑ 魚影の群れも吉村昭か。。。

羆嵐 – 吉村 昭 2015年04月14日

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ひょんなことから日本の獣害史上最悪と言われている北海道は苫前の三ヶ別羆事件をテーマにした本小説を読んだ。

三毛別羆事件 – Wikipedia

だいたいこのWikiを読めば経緯やその被害の大きさ、羆の残忍さがひとしきり把握できるんだが、この小説にはもっと事細かにその
極限の状態が描かれている。

羆嵐
羆嵐

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羆を退治しなければ入植してきた自分たちの土地を手放すことになる
人間がまともに太刀打ちできるレベルの獣ではない
下手に動くと退治するどころか自分が羆の餌になる

という条件下で隣接の村や警察などに支援要請をして集まる人々の人間模様、一人で生きてるマタギの孤独な戦いなど、詳細の描写がさらに緊迫感を与えて最後まで読む手が止まらないのであります。

暗闇の中、草壁の裂けた家の中に羆が居る、中の被害者が羆に襲われ、生きたまま食われて肉を貪る音、骨を噛み砕く音だけが聞こえる。迂闊に立ち入るとたちまち自分も餌になってしまう。。。

集団で集まっては猟自慢をし、集団と銃の数に安心しきる隣接の村の支援者たちが実際の羆の大きさを見た途端にひるんで逃げ出し、数丁の銃しか持たない住民たちと何も変わらないこと、羆は大人数では殺せない、気配を殺して至近距離まで近寄り、急所を撃ち抜くしかない、外れれば驚いた羆に襲われて一巻の終わり、それがわかってようともひるみもせずにしっかりと自分の背に負って羆を撃ち抜くマタギなど。超絶的な緊迫感です。

肉食動物のお食事 2015年03月05日
ラープルアットは自然生肉食の味? 2012年10月14日

以前も肉食動物のお食事映像を載せたりしてましたが、これもまた自然の残酷な一面ですな。人間といえども動物。大自然の中では
このように食物連鎖の輪に組み入れられてしまうこともあるのですな。動物ならまだ見ていられるが、人間が生きたまま腹を割かれて大腿の筋肉や内臓を食われるなんてのはどれほどの苦痛が伴うのだろう??想像もできんな。。

オーケンののほほんと熱い国へ行く 2015年02月04日

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前回の日本帰国時に仕入れて来た文庫本。この本はkindleで電子版が売っておらず、前回オーケンの本を久しぶりにkindleで購入した後、ムンバイマラソンを前に未読のオーケンによるインドとタイの旅行記を読んでみたいと思った。

考えてみると、タイはバンコク在住の僕がムンバイマラソンに出る前に読むんだから、これほど最適な本はなかろう。(とはいいつつ、結局読み終えたのはムンバイから二週間ぐらいたってからになりましたが。)

書かれたのは平成3年というから1991年。すでに24年前の旅行記であるが、文章を読んでいて大きく違和感を感じることもなく、不変のバックパッカーなりの自由感、モラトリアム感がぷんぷん臭ってくる。

文中、旅には「見聞を広める」と息巻いて出てくる本当に旅がスキってタイプと現実からの逃避を求めるタイプと大きく2つがあると書かれている。前者は普通に前向き、後者は後ろ向き。後者は自分のことを誰も知らない、物価の安い街で適応できない煩わしい自分の世界から離れてウダウダとモラトリアムの中にいる。本人自身も「これでいいのか?これでいーのだ。本当に??」と悩みつつ。

オーケン氏のシンパシーは当然ながら後者で旅の途中に出会うウダウダの長期旅行者と、薄ぼんやりした時間の流れの緩い旅の空が実に80年代調の文章で綴られている。でもこのバックパッカーのモラトリアムは今も昔も変わらずでちょっと前でも「外こもり」なんて言葉も現れては消えたりしていた。。。

個人的には久しぶりにこの80年代調文章に触れて前回も「今になってこの調子はちょっと辛いなあ」と思っていたが、やっぱりまだ慣れない。でも旅行記としては中々楽しめる良い本だとは思います。

まあブックオフなどで偶然見つけたらイチオシ。読んで楽しい本です。でもわざわざ探して買うという本でもないかなというところ。

また長期旅行に久しぶりに行きたいなあ、とちよっとだけ思った瞬間でした。

オーケンののほほんと熱い国へ行く (新潮文庫)
大槻 ケンヂ
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