kishin
“kishin by itsumademo tanoshimi~, on Flickr”

吉村昭の三陸大津波を読んでいる。飾り気のない吉村昭の淡々とした語り口がNHKの冷静なドキュメンタリー番組の語りみたいで良い。

しかし読み物を読んで、三陸大津波の想像を絶する地獄絵図を頭に思い描く、という事もすでに今は現実として起こってしまいyoutubeでいつでも何回も見直す事が出来る世の中。。。

想像を絶するその景色でさえ手の中のスマートフォンで再生される環境を持ってるのでありますな。我々は。

だから不謹慎承知で言うと2011年まではドキドキした感覚で半分野次馬感覚で読めた本だろうが、今はもう現実の映像があるわけで頭の中の想像でドキドキすることは半減している。911のジェット機自爆テロ、311の津波で自分たちが生活する街が映画のように壊滅的に破壊される映像を見て、想像を絶する世界というのは具体的に少なくなってきていて、これだけ現実の衝撃映像がある中で映画が辛気臭く思えるのはしょうがないことかも。

そう考えると、映画や他の映像作品でも描かれていないもの、それこそ同じく吉村昭が描いた肉食動物・草食動物の世界よろしく生きたまま食べられる人間。今これ以上の場面はないはずですな。

だからあの「羆嵐」をあれだけの没入感を持って読めたのかという事が後になってわかったのです。。

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↑ 魚影の群れも吉村昭か。。。