5年越しの逃げ恥とBeefheartとSAKE ROCKと 2021年06月21日

星野源と新垣結衣が結婚するというニュースがあったせいか、スマホをいじっていると何かのアプリで「逃げ恥」がレコメンドされていた。日本で話題になってたときタイでもウェブ記事なんかでもいろいろ目にしたが、結局今まで見たことないのでアマゾンプライムビデオでちょっと見てみるか、という気になり第1話を見てみたが意外に面白くて土日のうちに全11話見てしまった。

わかったこと:
星野源が作る音楽も面白いしええ男ですな。
新垣結衣って何がいいのかと思ってたが、ドラマみて確かにかわいいと思った。

なので星野源の曲もSpotifyで聞けて当然いいんだが、昔のSAKE ROCKの音源を聞いている。(これはGoogle Play Music終了後に避難場所として自分手持ちのmp3ファイルを全部移行した中のひとつのアルバム)

SAKE ROCKのEmerald MusicってShiny Beastあたりの少し耳なじみがよくなったビーフハート先生の音楽と非常に似ていてSAKE ROCKは絶対ビーフハートをちゃんと聞き込んでる人だと思うんだけど、あんまりそういうことを書いている記事もないね。音構成そのまんまですな。SAKE ROCK聞いてるとビーフハートも別に難解でもなんでもなくてぜんぜんポップに聞こえてくるのでいい効果ですな。

しかし、ドラマ「逃げ恥」もちょっと前だと思ってたらはや5年近く前。時の流れの早さが恐ろしいわ。

ツインピークスを観終わって 2012年09月12日


↑ このカイルマクラクラン、ええ顔しとる。

数日前から観ていたツインピークスをやっと観了。
シーズン1が8話、シーズン2が22話というトータル30話のめちゃ長いストーリー。

1990年制作のテレビドラマでデビッドリンチが監督。リンチ本人も主人公デイルクーパーの上司役で耳が遠く、補聴器を付けながらいつも大声を張り上げているゴードンコールとして登場。主人公のカイルマクラクランは当時日本でも人気が出てたと思う。

僕は中学生の頃にレンタルビデオで観ていたが、話の進み方が静かなのとデビッドリンチらしい夢の風景が出て来たところで、「これは30話ついていけない」とギブアップ。まあ中学生ぐらいでこのストーリーは理解できんかったやろうなあ、と思う。

今回も何回かくじけそうになりながらなんとか30話を観了。しかし、シーズン1の終わりではまったく真犯人はわからず、シーズン2の22話の9話あたりという中途半端なところで真犯人が判明し、事件も解決したし、デイルクーパーも次の任務に、とツインピークスを離れる準備をしていた矢先にふとしたトラブルが起こって次のストーリーにつながっていく。しかし、実際に観ていてこれはもう付け足しのストーリーのように見えて、このタイミングでドラマは終了させておけばよかったのではないかと思えるほど。

Wikiを観てみるとその疑問に対する回答が。

第2シーズン

6月から7月にかけて、やはりロサンゼルスで撮影が開始された第2シーズンは、9月30日、リンチが演出を手がけたシーズン・プレミアにあたる2時間のエピソードによって放送が開始され、第1シーズンと同様、熱狂を持って迎えられた。

しかしながら、その爆発的人気がストーリー展開に弊害を与えるようになる。“殺人事件のミステリーを軸に、様々なエピソードが延々と展開する”というのが、リンチとフロストが考案した『ツイン・ピークス』の特色の一つであったわけだが、視聴者の中には、いつまで経っても事件の真犯人が明かされない事に苛立ちを覚える者が多く現れ始めた。それを敏感に察知したABCによって、早く真犯人を明らかにするよう、リンチら製作陣はプレッシャーをかけられるようになった。

リンチとフロストは、ABCに企画を提出したごく初期の段階から真犯人を決めていたが、すぐにそれを明らかにするつもりはなかった。被害者であるローラ・パーマーと町民の関係性を描く事こそが真のミステリーだと考えていたからである。しかしながら、殺人事件の謎が魅力的過ぎたためにそれは上手くいかず、第2シーズン半ばで真犯人を明かさざるを得なくなってしまった。

事件の真犯人が明らかとなるのを待って、フロストは映画『ストーリービル 秘められた街』の製作のため、『ツイン・ピークス』を離れる。これによって『ツイン・ピークス』は実質上、リンチとフロストの手を離れる事となったわけだが、事件が解決してしまった事によって、『ツイン・ピークス』に対する視聴者の興味は薄れ、視聴率は下降を始めた。さらに、ABCが放送日の変更や放映の中断(第2シーズンの放映期間が8ヶ月以上にも渡っているのはこのため)を行ったために、視聴率は下降の一途をたどった。

ツイン・ピークス – Wikipedia

大人の事情でストーリー構成をこういう形にしなければならなかった模様で、まあホントに真犯人がわかってからのストーリー展開はダルい。そもそもは「殺人事件のミステリーを軸に、様々なエピソードが延々と展開していき、謎解きは徐々に背景的ストーリーと化していく、という物語の基本路線」というように殺されたローラパーマーとの関係を発端にツインピークスの住人の人間性が都度描かれていく。みんな面白いほどに表裏を持っていて、ほとんどの人間が表のパートナーとは別に浮気してたりするが同じ田舎町の中で皆つながりあっている。田舎の濃い人間関係。よくよく考えてみると日本の伝統的な共同体意識や田舎の生活ってのは村社会だと言うけど、行ったことないがアメリカで制作された映画などを観る分にはアメリカの田舎も大概村社会で内輪に凝り固まっているイメージがある。

さらには地域信仰なんかも盛んなイメージがあって、ツインピークスでは冒頭から「森には何かが潜んでいる」的な自然信仰に似た信心や恐怖を街の人が持っている。真夜中のカーボーイやワイルドバンチなんかでも異端のキリスト教みたいなものがちょっとバイアスのかかった感じであって、それが主人公の子供の頃のトラウマみたいに描かれていたりすることも多い。「村社会+地域信仰」の二つのパワーで個人的には結構アメリカの田舎は怖いんじゃないかというイメージを持っていたりする。

そんな怖いイメージもありつつ、久しぶりに観たツインピークスのアメリカの風景が心地よくて、ドーナツやミートローフ、甘くないアメリカンコーヒーを飲みたくなった。あー、30話観るの疲れた。もうアメリカンドラマはいいや。また読書に戻ります。

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アメリカンドラマで仁義なき戦いを思い出す 2012年09月06日

最近はhuluでアメリカンドラマを見ています。といってもひとつがとても長いので今のところLOSTTWIN PEAKSだけですが。

しかし、アメリカのドラマって登場人物が多くてストーリーが超複雑で、ストーリーをちゃんと捕まえておくのが結構大変で観てると疲れる。晩に観てて寝落ちも数回。まあ、でも映画は客に腰を下ろさせて2時間程度しっかり拘束できるんだが、ドラマはストーリーが約1時間の細切れ。次回客にしっかり観てもらえるような工夫が必要で、だいたい1話ごとにこんな感じになっている。

オープニング >
前回のクライマックスの解決 >
小康状態(今回放送分の事件の前置き) >
今回のクライマックス > 次回へ

ストーリーの内容は別にして話の展開はすべて上記の通り、そしてすべての放送回でクライマックスを演出しないといけないので、登場人物が増える。登場人物が20人居ればその人の過去や動きを追うだけでとりあえず簡単に20回分のストーリーは作れるはず。だから群衆活劇的なものになるのは必然だと思う。

群衆活劇としての効果はまだあって、1つのシーンに対して複数の登場人物がある場合、それぞれの性格により心情や動きが変わる。その登場人物に対して視聴者がそれぞれ感情移入するが観てる人の性格により感情移入の対象のキャラクターもそれぞれ。これがまた次の日の学校や会社での会話に華を咲かせる。

「いやー、俺だったら○○みたいなことはしないわ」
「俺も××をぶっ殺してやりたい」
「えー?お前そうなん?俺は絶対△△側やね」

みたいな話が楽しいのであります。飲んでる時に話初めてつい熱くなり喧嘩になったりとか。んでこの会話がまた次の回へと視聴者を引き込むのであります。こういう仕組みを地道に毎回繰り返してるなあと感じるわけなんですが、やっぱり10数回観ていくと段々構成的に飽きが来てしまうのです。それでLOSTは中断してしまった。

でもこういう群衆活劇的な物語構成の効果ってのをなぜ知ってるかというと、大学生の時に観まくっていた「仁義なき戦い」の解説本で上記のことを事細かに説明してくれていた。「仁義なき戦い」も群衆活劇で登場人物が多く、エピソードには事欠かない。観ている人はやくざという社会の中でのそれぞれの立ち回りを観ながら自分の共感や憧れなんかをベースに感情移入していくのであります。

ふと思ったんですがアメリカンドラマで広島抗争を再度描き直すというのはどうでしょうか。上記の通り、1話1話でのエピソードってのは事欠かないと思うし。既存の「仁義なき戦い」5話でもそれなりに量があるが、多分それでも映画化に際して切り捨てたエピソードってのはたっぷりあるはずで、その辺を詳細に渡って描き直すってのも面白いかなあと思ったり。美濃幸三親分の手記と東映が映画化した際の調査メモなどで不採用になったエピソード全部出しみたいなものを実現できると楽しいなあ。

勝負はシーズン1なので全8話ぐらいで「仁義なき戦い」の1と広島死闘編を同時並行で描いて人気をあげて、シーズン2以降制作が決定したら全50話とかの超大作にしていくといいかなあ。

アメリカンドラマにいきなり日本のギャングストーリー。こんなんも珍しくていいんじゃないかな?当然日本人キャストで日本語で収録してアメリカで放送の際には英語吹き替えで。実に観たい。俺が観たい。

以上、「仁義なき戦い」ファンの戯れ言でございました。

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