延々続く凡作 ドラゴンへの道 The Way Of The Dragon 2012年08月31日

huluにあがってる香港映画、僕は今までまともに観たことがなかったブルース・リーの映画がいくつかあがっているのでいろいろ観ている。

先日「ドラゴン危機一髪 The Big Boss」を観たので次は「ドラゴン怒りの鉄拳 Fist Of Fury」を観てみたんだが、これがまた湿っぽい&辛気臭い話で実に観るに耐えない。2回試みて2回とも寝落ちしてしまった。

というわけで「怒りの鉄拳」はすっ飛ばして「ドラゴンへの道 The Way Of The Dragon」を観ることにしました。この映画は格闘シーン以外は結構コメディタッチ(といってもホントにしょーもないネタばっかりですが)で描かれてるので軽い。ブルース・リーが演じるキャラクターも結構軽い。今までの映画とは異なる。今までは仲間が殺されて「怒ってるどー!!!」が200%な顔で後半は始終鳥の声ばかり出していたブリース・リーも今作では田舎から来た朴訥野暮天、のんびりした兄ちゃんです。

ストーリーは「危機一髪」と同じく特筆に値するような面白い話でもなく、ブルース・リーがやってるから成り立つ映画と言ってしまえばそれでおしまい。脚本はもう凡作も凡作。「危機一髪」では結構気になったカメラワークも相変わらずで手ブレがひどいカットや子供にカメラ握らしてるのかと思うような稚拙なカメラワーク&演出が気になる。この頃の香港映画ってみんなこんなんなんかね。昔なんかの本で昔の香港は映画のアイデアや脚本の盗作、パクリが多く、脚本を始めから終わりまで一冊にまとめておくことができなかったそうな。何冊にも分けて違うところに保管しておかないと盗作されてしまうが、ちゃんと通しでストーリーを知ってるのは映画スタッフの中でも1人か2人程度らしく、香港映画に練れた脚本がほとんどないのはこういうことが原因としてある書いてあった。この頃はまさにそういうやり方をしてたんだろうか。

イタリア、ローマでロケって言ってもほとんどイタリアでやってる必然性も何も感じない。最後のコロシアムの中での死闘をぜひ絵として撮りたかったのかもしれないが格闘シーンに入るとセット丸出しになってしまうのも失笑。

とはいえ、ブルース・リーはいつもどおりの存在感で映画をグイグイ引っ張る。さっき言った「怒りの鉄拳」で出てた女の子、ノラ・ミャオがかわいいなあと思ってたら、ドラゴンへの道のヒロインもノラ・ミャオだった。怒りの鉄拳ではおぼこい田舎娘風だったが、こっちのノラ・ミャオはローマ住まいのしゃんとしたお姉ちゃんでずっとかわいい。


↑ この画像、ビニ本みたいでグッと来るな。

なんかノラ・ミャオがかわいい、ということだけがよくわかった「ドラゴンへの道」でした。

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ドラゴン危機一髪 The Big Boss 2012年08月28日

またまたHuluでブルース・リーの映画を。Huluのブルース・リー関連映画はブルース・リーの香港帰国後の

「ドラゴン危機一髪 The Big Boss 1971」
「ドラゴン怒りの鉄拳 Fist Of Fury 1971」
「ドラゴンへの道 The Way Of The Dragon 1972」
「死亡遊戯 Game Of Death 1978」
「死亡の塔 The Tower Of Death 1980」※ 但しこれはブルース・リー主演ではないとのこと

の5作がラインナップされている。「燃えよドラゴン Enter The Dragon」はない。まあこれはゴールデンハーベストだけでなく、香港・米国合作とのことでワーナー・ブラザーズが噛んでるので権利関係がややこしいのだろうか。

というわけでこの1作目の「ドラゴン危機一髪」である。

オープニング・タイトルが開けて、船着場のシーン。この時点であれ?あれ?これ香港か?土気色の川、広がるだだっ広い野原、こんな場所あの狭い香港にあるのか?それもなんか親しみのある雰囲気。。。。ブルース・リーが歩いて行く街中、あまり目立たないようにしてあるのか小さな看板に書いてある文字を見るとタイ文字。。。え?タイ?!。。Wikiを調べるとどうも全編タイでのロケのようでした。。。うーん、1970年台初頭のタイの風景か。それもまた興味のある映像。

まあ、この頃の映画だけに作りの荒い映画ですな。カメラワークなんかもミスショットだけど無理矢理使ってない?と思うようなシーンもあった。。。

ストーリーはよくあるパターンで、氷工場の労働者が社長の裏のビジネスを知ってしまい、殺されてしまう。その真相を突き止めようとする労働者が次々に殺され、仲間を殺されたブルース・リーが敵討ちに。。。ってな別になんでもないストーリー。

工場長や社長の家に行ったきり帰ってこない仲間を心配し、仲間を返さないと働かないとストを起こすと言う従業員たちに工場長は用心棒たちをけしかけて懲らしめようとするが、ブルース・リーが木っ端微塵にやっつけてしまう。工場長から「お前は強いから」と自分陣営に引きこむため主任に抜擢され、仲間の従業員も「前任の憎たらしい主任よりよっぽどお前のほうがいい、おめでとう」と大喜び。みんなではしゃぎながら家まで帰って来て、家で留守番してた妹に「じゃあまだ消えた仲間の居場所はわからないのね」と言われて「あ、忘れてた。。。」みたいな。みんなそんなんだから騙されるんだよ。。。

でも久しぶりに見るブルース・リーはたまらんかった。顔力がありますな。こんな傲岸不遜な顔は見たことない。元々喧嘩ばっかりしていたらしく、街の有力者をぶちのめして香港に居れず、親からアメリカ留学してほとぼりを覚ませと言われたぐらいの人だから、喧嘩屋的な自信満々のこの顔が見ていて晴れ晴れする。最近こんな顔してる奴テレビでも映画でも見ないもんな。

映画のストーリーが凡作だけにブルース・リーの俳優的素質のみが大きく光る映画。個人的には自分の住むタイの1970年当時の風景を十分に楽しむができる映画でした。いや、しかしさすがHulu、これからまだまだ順次香港映画も追加されていくというからこれまた楽しみ。

とりあえずブルース・リー主演作は全部見ますか。

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