「インドの今を知る!」 2012年09月03日

今年8月に初めてインド上陸を果たした訳ですが、帰りの空港までの道で新市街の景観を見て今のインドも面白そうだと思ってタイに戻ってからいろいろとインドの情報を探していた中で見つけたメルマガ、「インドの今を知る!」

毎日配信のメルマガでいつもだいたい日本時間でいうと10時頃に届いている。インドの今の経済や政治の動向、インドのインフラなんかのお話がちょうど手頃な長さで毎日届く。何気にこれを毎日読むのが結構楽しみであります。

 【 今日のポイント 】 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

       インドの労働法は時代遅れで柔軟性に欠けている。

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  アイジェイシーの土肥です。インド・ビジネスをお考えの方、インド
 に興味をお持ちのみなさまのために、インドで現在起きている事を、独
 自の視点で、わかりやすくお伝えして行きます。

 【 今日の記事 】 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

   焦点:印マルチ・スズキの工場暴動、低賃金労働力への依存に警鐘

            ロイター         2012/8/7
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  スズキのインド子会社マルチ・スズキのマネサール工場(北部ハリアナ州)
 で7月18日に労働者が起こした暴動は、低賃金労働力に依存する製造業に警
 鐘を鳴らしている。

   (後略)

 【 今日のキモ 】 ━━━━━━━━

 ■この暴動は、インドの経済界を揺るがし、低賃金労働力が製造業を支え、
  外資を呼び込んでいる同国の労働法が時代遅れで柔軟性に欠けていること
  を浮き彫りにしました。

 ■現代自動車やホンダなどインド国外の自動車メーカーも、ここ数年インド
  工場での労働争議に直面しており、業界団体は柔軟性に欠く法律を見直す
  よう、政府にあらためて求めています。

 ■1920年代にさかのぼるものもあるインドの労働法の下では、大手企業
  は正規雇用者の解雇が困難なことから、大量の契約労働者採用を余儀なく
  されており、これが多くの労働組合との対立点となっています。

 ■マルチ・スズキの工場では長年、労働争議が起きており、生産ラインで働
  く労働者を代表する労働組合は、経営慣行により衝突は避けられないもの
  になっていると訴えています。

 ■マネサール工場の生産労働者の最高賃金は月2万5000ルピーで、この
  うち、1500人の契約労働者の賃金はこの半分以下です。

 ■前年度のマルチ・スズキの純売上高に占める従業員コストの比率はインド
  国内上位5社の中で最低の2.4%でした。

 ■労組は暴動が起きたとき、今後3年間に月1万5000ルピーの賃上げを
  求めて交渉を進めていました。

 ■29年前にインドで生産を始めたスズキの鈴木俊宏副社長は、スズキは従
  業員との意思の疎通を強化する必要があると指摘します。

 ■NTUIなどの労組は、マルチ・スズキが正規雇用者の賃金を大幅に下回
  る水準で契約労働者を使用していることを批判しています。

 ■一方、マルチ・スズキの広報担当は、契約労働者の利用は需要の季節変動
  を踏まえた標準的な慣行としています。

発行しているのはアイジェイシーという日系企業のインド進出などの際にサポート・コンサルを行う会社を起こしてられる土肥克彦さんという方。本当に文章量が手頃なので毎日かかさず読んでいる。短いセンテンスにインドの商習慣や問題などを挙げられてて、「へぇ、タイではこうなのに、インドの場合は、、」とタイ、日本などと比較して読んでいるととてもためになる。今はもう日本、米国、タイと3カ国の株に手を出しているので無理に買うことはないが、いつかインド企業の株を買うこともあるかもしれないし、そんなときに役に立つかな?と思ったり。あと、コルカタの旧市街を見たときには、「この国で働けるか???」と思ったもんだが、新市街のほうを見た後は「インドでも結構しっかりした収入の仕事もあるかもしれない」と思える。いつかの時にインド人と一緒に仕事することを考えたりしながら、毎日のこのメルマガを読んでおります。

インド・ビジネス・サポートの アイジェイシー

しかし、相変わらずインドの人口の規模感は毎度毎度びっくりさせられますな。2010年のインドの自殺者の数が約180,000人!すげえ!さすが日本と比べると桁どんと上がりますな。。。と思ったらよく見ると日本の場合2010年の自殺者数は約30,000人。日本は比率が多いな。

日本:人口 1億2千万:自殺者 約30,000人
インド:人口 12億人:自殺者 約180,000人

人口はインドのほうが10倍だが、自殺者数は6倍にしかなってないんですな。。。

必要以上に凝った造りのMac miniを新たに購入 2012年09月02日

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今年に入ってから調子が悪く、数回OSのインストールをし直していたが、ずーっと調子が悪いMac miniの再インストールを先週末しようと思っていた。んで実際作業に取り掛かり、iTunesの音楽データ、iPhotoの写真データを外付けHDDにコピーしようとすると読み出しエラーが出てコピーが出来ない。なんかとても危うい状況。2009年初期のMac miniを開腹してHDDを取り出し、空いている外付けHDD2.5″を取り付けてから再度OSインストール。ところがこれが途中でエラーが出たり、エラーがなく正常に終わったかのように再起動し、さあ!と思っているとまた再インストールの最初のステップに戻っていたり、あげくの果てにインストールが何時間たっても終わらない状況となり、あまりにうっとおしいので新規にMac miniを買ってしまった。

ホント言うとMacBookProあたりが欲しかったが、7月の日本帰国、8月のインド旅行があったので貯金額が少なく、MacBookProはちょっと手が出ず、Mac miniを買うことにした。購入はいつもお世話になってるカシコーン銀行のクレジットカードで10回無金利分割払い。ラマ3セントラルのPowerBuyではこのカシコーン銀行のカードを使うことで3%の割引があるとのことでこちらで決定。ついでにタイ+英語のBluetoothワイヤレスキーボードも。

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付属品は電源ケーブルとHDMI-DVI変換アダプタ、薄いマニュアルのみ。OSのインストールディスクすら入っていない。インストールイメージは内蔵HDDにあるリカバリ領域を立ちあげてAppStoreからWiFiや有線LAN経由でダウンロードしてからインストールする仕組み。あくまで使用環境としてインターネットを完全に前提として設計されております。

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しかし、2009年のMac miniと比べると面積は大きくなっているものの、高さは2/3程度になっていて本体に電源ユニットが内蔵されているので電源ケーブルにBrickがついていない。これがとてもスマートで電源ケーブルも軽い。筺体は底面、背面、天面のアップルマーク以外はアルミニウムのユニボディで、WiFiのアンテナなんかなんと底面に設置されテーブルトップに接するような形になる。うちの机はスチールのごつい机だったが問題なくWiFiは使えた。

しかし、ifixitのバラシ画像を見てもわかるんだけど、この筐体ユニボディの名前の通り筺体自体は一体型でバラすことができない。通常このようなお弁当箱サイズの筐体だと蓋状の天面がパカっと外れて中のユニット俯瞰できるように作ると思われるが(でないとメンテナンス性が悪い)、このMac miniはバラす時、なんと中身のユニットを背面の方からずっぽりと抜き出して取り出す。底面は円形のスライド式の蓋があるだけでほとんど中身を取り出すことができない。この背面のスペース、わずか高さ3.6cmほどと幅19.7cmであります。ハメコミ筺体と限られた省スペースをトコトンまで使い尽くした2009年モデルでもメンテナンス性は悪いと言われていたが多分この2011年モデルはそれ以上だと思う。いやー、このデザインすごいなあ。執念のデザインですな。少なくとも効率姓だけを追求してるとこういう構成には絶対にならないと思う、それぐらいの驚きのデザイン。ウェブや雑誌ですでに知っていたことだが、改めて手にしてみるとやっぱりびっくりする。こういうの、好き、という訳でもないけどアップルの製品のおもしろいところだと思う。

自作のチャーシューで บะหมี่หมูแดง バミームーデーン 2012年09月01日

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8月の給料が出てオーブントースターなんだかオーブンなんだか微妙なのを買ってきた。1,590THB。ついでに豚のブロック肉とタイのチャーシュー、หมูแดง ムーデーンのインスタントの素を買ってきたのでこのクイティアオの屋台などでよく見るムーデーンを自作して食ってみた。

作り方は以下のサイトにもあるように簡単。インスタントの粉末を水に解いて数時間漬けた後、オーブンで焼く。これだけ。

LOBO「焼豚の素」でカオ・ムーデーンを作る。 – バンコクで生きる! – Yahoo!ブログ

タイに住み始めてちょうど6年。このムーデーンだけは味がよくわからなかった。チャーシューっぽく、豚肉の味がおいしい、でも味付けは?なんで赤いの?こんなのは自分で作ってみなきゃあわからない。

インスタントの粉末を水に溶いてみてわかったけど、かなり五香粉の香りが強い。タイでよく言うパロー系の香り。それに砂糖と食紅。食紅というよりはイェンタフォーでも入ってるのかな。実際作ってみたら思ってたよりもかなり甘い味付けだった。ただし肉の表面だけなのでスライスするとその甘さはだいぶやわらぐ。実にうまく焼けた。スライスするとめちゃくちゃうまそうで切るハナからつまんでしまう。

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最終的にはこういうふうに汁なし麺で食いました。バミー(小麦麺)+パククワントン(チンゲンサイ)+ムーデーン(チャーシュー)の具で唐辛子、ナンプラー、マナオ(タイのライム)、砂糖などを入れて甘・辛・酸を自分好みに調整して食う。スーパーでガティアムチアオというフライドガーリックチップが売ってなかったので、これも自炊。ニンニクの皮剥いてクロックでソムタムみたいにポクポクついてフレーク状にし、油で低温で焦げないように揚げて完成。これもまたカリカリサクサクにできた(麺の上のガーリックフレークがそれ)。

特段ヘルシーなメニューでもないけど、自炊で衛生面、食べるものを自分で選べるってのは安心、気持ちがよく、屋台で食うよりうまく感じるのであります。

延々続く凡作 ドラゴンへの道 The Way Of The Dragon 2012年08月31日

huluにあがってる香港映画、僕は今までまともに観たことがなかったブルース・リーの映画がいくつかあがっているのでいろいろ観ている。

先日「ドラゴン危機一髪 The Big Boss」を観たので次は「ドラゴン怒りの鉄拳 Fist Of Fury」を観てみたんだが、これがまた湿っぽい&辛気臭い話で実に観るに耐えない。2回試みて2回とも寝落ちしてしまった。

というわけで「怒りの鉄拳」はすっ飛ばして「ドラゴンへの道 The Way Of The Dragon」を観ることにしました。この映画は格闘シーン以外は結構コメディタッチ(といってもホントにしょーもないネタばっかりですが)で描かれてるので軽い。ブルース・リーが演じるキャラクターも結構軽い。今までの映画とは異なる。今までは仲間が殺されて「怒ってるどー!!!」が200%な顔で後半は始終鳥の声ばかり出していたブリース・リーも今作では田舎から来た朴訥野暮天、のんびりした兄ちゃんです。

ストーリーは「危機一髪」と同じく特筆に値するような面白い話でもなく、ブルース・リーがやってるから成り立つ映画と言ってしまえばそれでおしまい。脚本はもう凡作も凡作。「危機一髪」では結構気になったカメラワークも相変わらずで手ブレがひどいカットや子供にカメラ握らしてるのかと思うような稚拙なカメラワーク&演出が気になる。この頃の香港映画ってみんなこんなんなんかね。昔なんかの本で昔の香港は映画のアイデアや脚本の盗作、パクリが多く、脚本を始めから終わりまで一冊にまとめておくことができなかったそうな。何冊にも分けて違うところに保管しておかないと盗作されてしまうが、ちゃんと通しでストーリーを知ってるのは映画スタッフの中でも1人か2人程度らしく、香港映画に練れた脚本がほとんどないのはこういうことが原因としてある書いてあった。この頃はまさにそういうやり方をしてたんだろうか。

イタリア、ローマでロケって言ってもほとんどイタリアでやってる必然性も何も感じない。最後のコロシアムの中での死闘をぜひ絵として撮りたかったのかもしれないが格闘シーンに入るとセット丸出しになってしまうのも失笑。

とはいえ、ブルース・リーはいつもどおりの存在感で映画をグイグイ引っ張る。さっき言った「怒りの鉄拳」で出てた女の子、ノラ・ミャオがかわいいなあと思ってたら、ドラゴンへの道のヒロインもノラ・ミャオだった。怒りの鉄拳ではおぼこい田舎娘風だったが、こっちのノラ・ミャオはローマ住まいのしゃんとしたお姉ちゃんでずっとかわいい。


↑ この画像、ビニ本みたいでグッと来るな。

なんかノラ・ミャオがかわいい、ということだけがよくわかった「ドラゴンへの道」でした。

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民主主義はもういらない、あなたのための全体主義 国民クイズ 2012年08月30日

先のブックスキャンのエントリで電子化を依頼していた本がこれ。久しぶりに上下巻とも通し読みしました。

日本国憲法第12章 国民クイズ(国民クイズの地位)
第104条「国民クイズは国権の最高機関であり、その決定は国権の最高意思、最高法規として、行政・立法・司法、その他ありとあらゆるものに絶対・無制限に優先する。本憲法もその例外ではない。」

近未来、日本は民主主義を捨て、国民一人一人がクイズ番組での合格によって特権を勝ち取る異形の全体主義国家となっていた。テレビ番組「国民クイズ」は「民主主義はもういらない、あなたのための全体主義」、「4時間の合法的な革命」、「ギブ・ザ・ピープル」をテーマに暴走の一途を辿る。主人公のK井K一は、TV番組にして最高権力機関である「国民クイズ」の人気司会者。ところが彼は刑務所住まいだった。かつて、彼は売れない役者だったときに国民クイズに出て失格し、罰ゲームの強制労働として司会をやらされていたためである。複雑な事情に流される別れた妻と娘の気持ちをよそに、皮肉にも有名かつ超人気司会者となり日々の番組をこなし続ける。ある日、娘に会うために脱走したK一は、娘を人質に国民クイズ体制崩壊計画への手助けを迫る佐渡島共和国の工作員と、そして、待遇の改善と家族との面会を随時許可するというクイズ省の官僚との双方に取引を交わす。国民クイズ体制を維持しようとする者と崩そうとする者との間に挟まれ、ついに誰もその結末が分からないその日のクイズ番組が始まる。

国民クイズ – Wikipedia より

この本は大学の頃サークルの部室においてあった漫画で、誰が持ってきたものかは知らないが当時部室で読んでいた。その後2000年ぐらいに本屋で見かけて購入した本だが、今回の日本一時帰国で部屋の奥で埃を被ったまま置いてあるのを発見、ブックスキャン送りとなりました。

上のWikiのあらすじにあるように近未来の日本がどうも世界有数の経済国、軍事力国家となっているようで、世界の大国も日本に何も言えないというような設定(2012年の今の日本の現状と比較すると皮肉なもんだが)。「エッフェル塔ください」というような滅茶苦茶な要望なんかが簡単に実現されてしまうような世の中になっており、当然の如く国の内外からこの国民クイズ体制をぶっ潰そうといろんな思惑が渦巻いている。

ストーリーはディテールが実によく練られていて、最初は通しで国民クイズの番組構成を紹介し、主人公K井K一がクイズ省官僚の思惑と国民クイズ体制打倒の革命派の間に揺れ、そしてその後決戦の国民クイズ放送を迎えるという設定。

国民クイズの番組の間に入る政府広報のCMなどのいわゆる”おかず”も楽しい。

とか、

とか。この抽選式年金支給なんかはホントにこんなかんじになりそうで怖い。

まさに映画のようにストーリーは壮大でこの無茶苦茶な国民クイズ体制が成立した経過なども丁寧に描かれており、十分にそのストーリーに没頭できる作りになっている。ストーリーはこれ以上書かないけど、話の終わり方としては続編も全然作れる流れだと思うし、K井K一が国民クイズの司会者になる以前のストーリーなんかもドラマとしては面白いんじゃないんでしょうか。これだけのストーリーが単行本4巻(再発盤は分厚い上下の2巻構成)に収まってしまうのももったいない。20世紀少年なんか20巻以上ひっぱたんだからこの国民クイズでももっとストーリーを展開していけるんじゃないかと。当時人気があったのか知らないが、僕が読んでいた当時から今に至るまでほとんど無名の作品であるのが非常に残念。映画化なんかされても面白いとは思うが、これを映像化するのは大変でしょうな。

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