週末バンコクでちょっと脱力 – 下川裕治 2013年08月22日

The River
“The River” photo by Emilio Labrador

久しぶりに読んだ下川裕治の著作。

すっかり忘れていたけどアジア各国の大旅行(世界一周と思ってたらアジアだけで金が尽きた)に出る前はこの人の本を読んで旅先の地に思いを馳せて胸ふくらませていたのももうほぼ十年前。

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下川 裕治
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↑ これもよくよく考えればもう相当古いなんだよなあ。

バンコクの住人となってからはほぼこの人の本を読むこともなくなっていた。

というのもやっぱりこの人描くアジアの風景ってのは旅行者視点で、”めまぐるしく忙しい日本を離れてアジアの街の片隅でゆるりほっと一息。。” てな前提がまずあるので、バンコク在住となった後はもっと発展するアジアやその歴史経済なんかに興味が移り、自分の中では古き良きゆるゆるアジアは二番目のプライオリティになっていた。

さてさて読んでみるとその視点っていうのはやっぱり全く変わっていなかった。10年程もバンコクに関する本を書いていなかったのはガンガン経済成長するアジアを横目にどうもうまくなじめない感覚があったらしい。それで今回のこの本の中でも経済成長の波で町並みの端に追いやられつつある超ローカルな屋台群などを求めて街を放浪する姿が。

時代遅れかもしれないけど、世の波に逆らってるのかもしれないけど、やっぱりバンコクはこうでなくちゃということなんであります。

タイ料理や屋台に関する記述もタイ在住の人間からしたら一般的なものまでしっかり解説が入っているので基本的には旅行者向けの本かな。僕個人としてはやっぱりたまーに読むぐらいはいいけど、興味が全然別の方向に行ってしまっているので感想としては、「ああ、そうか、」というレベル。バンコク好きで旅行でも頻繁に訪れる、というような人には再度バンコクへの思いをかき立ててくれそうな本。

ただ個人的には、下川さんが参加してたローカルマラソン大会の章は結構面白かった。まだ、僕はパタヤマラソンとか母の日マラソンとか規模の大きい大会しか参加したことがないのでこれ見ていっぺんは小規模ローカルマラソン大会にも参加してみるかな?とは思っております。

週末バンコクでちょっと脱力
朝日新聞出版 (2013-06-10)
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