タイに限らずアジア全体に溢れる変な日本語感の看板とかは意味ではなくて絵面がメインなのね 2014年02月02日

Mi cartel en hiragana
“Mi cartel en hiragana” photo by marioquartz

高城剛氏のメールマガジンを最近読み始めておりまして、気功やらなんやらとちょっとついていくのが大変な記事もあるのですが、世界情勢のお話とか読者QAなどは非常に面白く読めます。トリッキーというかいきなりな着想点も多く凡人がいきなりその考えについていくのは大変なところもありますが、ただ単にトリッキーな発言をバラマキ散らしているのとは違い、しっかりと知性が備わっていて明確な論理の組み立てがバックボーンにあるのは読んでて感じるところ。

Takashiro.com
高城未来研究所

その中で一点、今週の読者QAであったやりとりで、

▽Q.32▼
兄弟が香港に住んでいるため、今度家族で香港を訪れてみようと思っていま
す。彼からの情報でも香港に活気があるのは伝わってきます。さて、前回高
城さんは「あたらしい香港」と表現されていましたが、ひらがなを使った真
意について詳しくお伺いできますでしょうか。よろしくお願いいたします。

【 A 】
書いている時には、まったく意図していなかったのですが、香港にいると
「ひらがな」の特異性に気がつきます。香港人が「クールな日本っぽい」と
感じるのは実はひらがなでして、最近の香港人アートディレクターは、意味
不明な漢字と漢字の間に「の」の文字を入れたがります。例えば、ハムの缶
詰のネーミングを日本ぽくしたいので「豚中の最」などになります。このよ
うに「の」を入れれば「クールな日本っぽい」感じになりますので、意味不
明な「の」が香港には溢れかえっているのです。ですので、僕も「あたらし
い」と無意識にひらがなに開いたんだと思いますね。

これ読んで、確かにアジア圏の人が日本を感じる文字というのはひらがな、カタカナになるのかと思う(高城氏の”あたらしい”は絶対変換忘れやと思うけど。。)。中華の文化が密接に隣り合ってる環境で漢字で日本を思い起こさんわな。「漢字」の通り”漢の字”だし。日本を”日本”と書くより”にほん”とか”にっぽん”、”ニッポン”とか書く方がなんとなく日本なんだろう。

まあ、日本人が観光でタイに来て普通に”สวัสดี”てなタイ文字がばーんと胸元に印刷されたTシャツ買って帰ったりするけど、普通に考えると「こんにちわ」って書かれただけのしょうもないTシャツであります。まあ、やっぱり日本人にしたら読めなくてもあの文字自体がアジアな感じがしてちょっとその文字をデザインとしてあしらったものが旅行のおみやげとして欲しくなるのは当然でしょうから。だから意味はどうでもいいんですな。

そう考えるとタイに限らずアジアにあふれる変な日本語の類は大方理解できるかな。基本的に意味がどうのこうのじゃなしに文字のデザインがウケてる話で日本人的には首をかしげたくなるような珍妙な日本語の看板は、非日本語圏の人たちにしたらそれで十分日本なんでありますな。

David Bowieの”It’s no game”も意味はよくわからん。音だけらしい。これは見た目ではなく日本語の音が英語圏の人間からしたらかなりおもしろい音に聞こえるんでしょうな。アジアの各言語と比べても日本語の発音ってかなり独特に感じるから音のコラージュ的に挿入すると白人にはええ感じになるんでしょう。。