「少年A」14歳の肖像 2013年08月15日

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何でこの本を買ったんだろうと読後にこの本を見つけた経路を思い出せないでいるんだけれども、kindleなんで多分いろいろ本を検索している間にリコメンデーションで表示されて値段が安かったからこの機会に、と買ったもんだろう。

僕が大学生の頃に起こった神戸連続児童殺傷事件。90年代のエポックメイキングな事件の一つ。個人的には世の中の流れを変えるような大事件として

宮崎勤:東京・埼玉連続幼女誘拐殺人事件
自然災害:阪神大震災
麻原彰晃(オウム真理教):地下鉄サリン事件
少年A:神戸連続児童殺傷事件

という事件(震災は天災だが)がとても印象に残っている。大学生当時、少年Aの事件後に悪ふざけで友人たちと一緒に事件後にタンク山に登ろうと言って深夜一時から出かけて行って真っ暗闇の中を歩いて行ったら、足元でガサガサと音がなって何か踏んだ感触があるなと思ったら、お供え物を踏み散らかしていたりと、非常に罰当たりな事をして流石に申し訳ない気持ちになり、かと言ってそんな時間にそんな場所で何をするでもなく、中途半端な気持ちで帰ってきた記憶もある。んで実家が大阪で地理的に近いこともあって妙に親近感のわく事件だった。

いろんなメディアが当時報道してたけど、改めてその経緯を読んで見たくなった。最初、何処かの新聞社か出版社の記者が取材したものをまとめたものかと思っていたがWikipediaで著者を調べてみると、ノンフィクションライターとのこと。少年Aの記述の合間合間に挿入される、著者が現地を訪れて見たその風景を描く文章が何とも小気味いい描写で少年犯罪事件のレポートでも文章力のある新聞記者が書くと多少叙情的というか感傷的になるなあと感心していたが、作家ということであった。なるほどやっぱり文章力があるのねと思った次第。

少年が殺人に至るまでの心象風景の移ろいを段階を追って細かに描いていて、少年Aについて知る、という読書の目的と著者の少年Aに対する思いや、共感や同情の念を感じて読むのが面白い作品。ただ個人的には佳作かなあ。ざっと読み通して、それほどは印象に残らなかった。。。

「少年A」14歳の肖像
「少年A」14歳の肖像

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