ミュージシャンの老後を想う Black Sabbath 「13」 2013年06月18日

sabbath13party

ミュージシャンの老後の生活保障といいますか、老齢の有名ミュージシャンの生活がとても気になります。もう僕もいい大人なんで大人の事情というのも実に共感をもって納得できるのであります。

特にミュージシャンの連中ってやっぱり育ちがよくなくてやっぱりいい教育を受けてないのか音楽で成功してもその金をぜんぜん有効活用できず、人に騙し取られたり、あまりに稚拙な計画の元で事業に失敗したり、はたまた男らしく全額使い切ってしまうなどあまりいい話を聞かないのも事実。そして金に困ったときに印税で揉めてバンドメンバー間でドロドロの紛争になることも多いみたい。

そんな中、やっぱ簡単に収入を得れるのは再結成ビジネス。小林旭「昔の名前で出ています」じゃないけれど過去の威光でもうちょっと食わせてくれとミュージシャンの声が聞こえてきそうです。自分が10代、20代の頃にそういうバンドが再結成!とプロモーションも大々的にアルバム出してたりした時には「どうせもう新しい音も作り出せない惰性の人」という思いしか抱かなかったが、実際に自分の加齢に伴ってそういう状況のミュージシャンにも実に円熟したシンパシーを抱くことができるようになった。

実にしょうもない焼き直しアルバムや、参加者全員やりたいことバラバラというやる気のなさが見えるアルバムでも、それを出さざるを得ないミュージシャンの人として一人の人生、楽器を持っていない時間の人生を夢想して聞くのに味わいを覚えるようになってきた。元パンクやハードロックのミュージシャンでもこの域だともはや演じているのは演歌と変わらないのであります。

というようなことをつらつらと書いて来ましたが、Black Sabbathの新しいアルバムが思ったよりはいいのであります。

ちょっと初期アルバムの雰囲気をわざとらしく出しすぎで関西のまんねりでベタなお笑いを見てるかのような展開が微笑ましいところではありますが、やっぱりトニー・アイオミってぱっと聴きの印象とは異なって器用なんだなとは思います。ゴリゴリのギターサウンドながらサバスに一人ずっと残ってオジー時代、ディオ時代、ギラン時代など曲のスタイルをガラッと変えて対応していける素早さ。ただただそもそものギタートーンが重すぎ、野暮った過ぎなんで婦女子に受けるわけはなく、言うほど売れてないのは可哀想なところ。

逆にオジーのほうが圧倒的に不器用でなんでこのおっさんが元気に生き残れているのかも不思議になるぐらいだが、何度もこのブログで言ってる通り、嫁の力によるところが大きい。特にすごいなと思ったのはMTVのThe Osbournesで、メタルヒーローからあの変わり身はすごかった。オジーの場合はメタルヒーローという立場をうまくアイコン化させて儲かってるもんな。Black Sabbath組の中では圧倒的にオジーが金を持ってるだろう。

ていうかBlack Sabbathのニューアルバム「13」、音を聞きながらこんなことを考えつつ、曲の向こう側のほうが気になって気になって1曲1曲は全然まともに聞いていない。。。書いていることも全然アルバムのレビューじゃないよね。

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