あなたを天才にするスマートノート 岡田斗司夫 2012年11月15日

20080111_1157...Trip notes recorded in a journal

「いつまでもデブと思うなよ」の岡田斗司夫先生、ダイエット本と言えど「この人は自分の感情や周りの社会をよく見てよく分析してるなあ」という片鱗がその文章の端々から感じ取れて「よく頭の回る人なんだろうなあ」と思いながら読んでいた。「いつデブ」を読み終わる頃には十分に岡田斗司夫ワールドに興味を持ち、とりあえずKindleで出ている岡田斗司夫本は読破する価値はあるかな?と思い、第二冊目「あなたを天才にするスマートノート」を購入。ちょっと自己啓発本っぽい雰囲気のタイトルですな。てかジャンル的には自己啓発本か。

目次
僕はこんなノートをつけてきた
まえがき ノートで「楽に」天才になる
スマートノートの段階進行

第1フェーズ 5行日記をつける!
第2フェーズ 行動採点をする!
第3フェーズ 論理訓練を始める!
第4フェーズ 見せてお話をしてみよう!
第5フェーズ 脳内リンクが始まる!
第6フェーズ 知識から教養、見識へ!
第7フェーズ ついに世に出る!
あとがき FREEexシステムについて

スマートノートは「天才を作るため」のノート術と最初に言い切って、「いつデブ」の時と同じく、社会の分析、天才の定義、なぜ天才になるのか、と言ったところがまえがきになる。

「いつデブ」と同じく毎日やる、無理をしないで進めるというのだが、最初毎日5行日記をつけるなどのくだりはいまいちこれでどうなるのかというところが僕にはまったく読めずスロースタートのような流れだったが、第5フェーズの「脳内リンクが始まる!」の件で一気に何をしようとしてたのかが氷解。そうかそうか、いろんなことを考える習慣をつけておくとそれがふとしたきっかけで連鎖反応のごとくバラバラの考えが繋がっていく瞬間がある、それを迎えるために自分の考えていることを文章や絵というもので具現化しておいて考えの弾数を増やしておく必要がある、と言うことですな。

確かに僕のつたない頭の中でも多少なりともこういう瞬間の気持ちよさというのは存在している。例えるなら東京都内、地下鉄に乗って仕事で客先周りをしていて、駅を中心に半径1kmぐらいまでの道を知っているが、休みの日にいつもの駅で降りてもうちょっと先まで歩いてみようとしたら、別の駅からの知ってる道に出た!みたいな断片が有機的に繋がっていく瞬間の気持ちよさと、そのリンクを最大限に意味のあるものにするための貯蓄みたいなもんなんですな。

しかし、この岡田斗司夫って人は「いつデブ」でもそうなんだけど、こういう成功時の天にも登るような気持ちの表現の仕方がめっぽううまくて、「ああ、俺もこういう体験してみたい」と思わせるのがうまい。しかもそれがお金とか女とか、仕事とか誰にでもある具体的な成功体験ではなく、オタクらしい自分の理論の完結や自分の住み慣れた世界の拡張というものをうまく描いているのでそこが読んでいて楽しい。

この本では脳内リンクの体験からまだ先に教養、見識ってものを形作って行きましょうってな展開になっていく。実はその後、ブログなどを書いてみましょうって話になるんだけど、僕は2年前からこのブログを毎日更新していてノルマになってるけど、さすがに2年続けるとだんだん手持ちの書くことがなくなっていく。そして適当な話ばっか書いていたブログではありますが、やっぱり続けていると自分でも「もうちょっとまともな話も書きたい」とかいろいろんな欲望が出てくるのであります。そういったネタの取り方から自分の考えを微調整していく、それを積み上げていく方法までこの本の内容は実に大きな助言を与えてくれるような気がするのであります。

うーん、やっぱり岡田斗司夫本はまだまだ読み進める方向で。でもとりあえず「いつデブ」と「スマートノート」をもう一度読みなおしてからかな。しかし岡田斗司夫先生、本を読む分はとても魅力のある文章に思えて、youtubeやニコ動などで動いているお姿を眺めてみるのだが、やっぱり喋り方はオタク感丸出しで見ていてちょっとしんどいですな。この人は本がいい。うん。

あなたを天才にするスマートノート あなたを天才にするスマートノート
岡田 斗司夫

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