VAN HALEN -Complete Concert – Pittsburgh 3/30/12のビデオに思うこと その1 2012年05月27日

さて、今日はかなりいろいろと書きたいことを書きたいと思います。

昨日twitterを見ていたら、2012年のvan halenのオーディエンスショットのライブの動画がフルセットで上がっているというので見てみた。

Twitter / amass_jp:ヴァン・ヘイレン

これが中々びっくりもので複数のオーディエンスがそれぞれ離れた客席からそれぞれカメラで動画を撮り、それを編集でちゃんとつないである。音もちゃんと録音ポイントを選んでいる様子。結構ちゃんと聞ける。さすがにコンシューマ向けの機材でとっているらしくアップの際にドットがちょっと荒く目立ったりするが十分に見れるほどに作り込まれてはいる。これがアーティスト側が意図して作成したものなのか、それとも本当にファンが無償で好んで作成したものなのかは不明。

ちょっと前で言えばプロショットの海賊盤ライブビデオ的な感覚です。昔から言われてることだが、やはり、PCとインターネットを持つことで素人もプロと同じものを作れる道具をすでに持ってるんだね。まあそんなことは置いときつつも、アーティスト側で言えばこういう風にオーディエンスが勝手に撮ったライブビデオが世の中に広く出まわるってとんでもないことなんだろうなあと思う(アーティスト側には海賊盤同様お金は落ちてこない)のではあるが、Frank Zappaの例もあるのである。Frank Zappaは世に出回る海賊版がいくら売れたってアーティスト側にはいくらも入ってこず、さらには録音状態もひどいものがユーザの手にわたってしまうのを嘆いていたが、一つ考え方を変えて録音状態のよい海賊版に若干の手を加えてアーティスト公認の正式版にしてしまった。海賊盤でアーティストが金儲けしてしまったのであります。

そういうことを考えると多分、こんなビデオってこれからももっと素人が組織的に作ってyoutubeにあげるってのが横行しそうなんだが、これを削除するんじゃなくて再生された回数などに応じてyoutubeの広告収入の一部をアーティスト側へ支払うようなスキームができれば、アーティストはライブをしていけばビデオやCDなどの制作にお金をかけるようなことをしなくても実質ユーザが勝手に作ってくれたコンテンツで金儲けができるんじゃないかと思ったり。所詮フリーの動画であれば、みんな正直に画質や音質のいい動画を見て、そういうものだけの再生率が上がり、アーティスト側は「海賊盤は画質や音質を気にしてないから」なんてことも言えないんじゃないのかと。草の根のコンテンツ作成者同士で競争が起こってちゃんと質のよいコンテンツだけが残ると思う。

youtubeやmp3を共有するサイトでの課金スキームだけができれば、昔で言う海賊盤で当のアーティストが実質DVDやCDを作成するコストを負担せず、ユーザ側に勝手に作ってもらって、それで金儲けできるんじゃないかと。まあ、当然素人編集や素人リミックスという自分の意図がしっかり反映される保証のない編集が伴う分、相当に演奏技術を身に着けておかなければかなり醜態を晒してしまうこともあります(現にこのVAN HALENのライブでは輝かしき全盛期をぶち壊すかの如く、ヘタである。もちっと練習せい!と見ながら突っ込んでしまう)。普通のアーティストって今の録音技術に甘えてるのかライブがとんでもなくヘタな人も多い。1990年代半ばのOzzay Osbourneのライブもアル中がたたってろくに練習してないのか聞けたものではなかった。あれではJake E. Leeが可哀想だとも思った。まあ、そういうアーティストも淘汰されていくんでしょうな。

こんなこと書きつつ、やっぱ今の10代、20代ってもはや海賊盤なんて言葉も知らないだろうなあ。