嫌われものの流儀 堀江貴文 x 茂木健一郎 2011年08月13日


↑ ちょっとWikiから拝借。この茂木さんの写真、なかなかカッコいいね。

最近また日本からハンドキャリーしてもらった本。「杉作J太郎が考えたこと」とこの本の2冊を持って来てもらってて、最近ホリエモンの本はよく読んでいるのでとりあえず読んどこうかと。どちらかと言うと杉作J太郎の本がお目当てだったんですが、茂木健一郎の冒頭の文を読んでちょっと掴まれました。

僕には人生で大切にしていることがいくつかある。
その中でもっとも譲れないことの一つが、決して体制側に無反省には立たないということだ。多数決の「勝ち」側に寄り添うことは、自己保身だけを考えれば楽だが、絶対に自分のためにはならないと思う。何よりも、自分の魂の成長にはならない。

へえ、茂木健一郎って学者然とした髪型の脳がどうこうテレビで言ってる気のいいおっちゃんだと思ってたんですが、こんなパンクな文章を書ける人なんですな。。。というところからぐーっと引っ張られて結局こっちを先に読んでしまった。

よく読んでるホリエモン関連の本だから大体書いてあることは一緒かなと思ってたら結構勉強になることも多かった。この辺はホリエモンx茂木健一郎のシナジーなんでしょう。そういう意味でも茂木さんが非常にグッジョブなんじゃないかと。

いろいろ書きたい点があるけどぐっと絞って

茂木:
基本的にこの国の多数意見は「自分は我慢しているんだから、お前も我慢しろ」でしょう。新しいことを許さないというのもそれで、自分は同じ日常でがまんしているんだから、他のやつも我慢すべきだって。でも、ひとつのことをやっているように見えても実は本当のプロは、日々新しい発見や体験をしている。何十年も刀鍛冶をやっている人でも、彼の中では日々代わり続けて、新しいことにチャレンジしていたりする。
僕の師匠である解剖学者の養老孟司さんにしても、長年ずーっと虫を捕り続けている。「傍から見るとおなじことばっかりしてて飽きないのかと思われるでしょうけど、虫を採集するという行為の中で、日々自分は変わり続けている、新しいやり方も試している、全然退屈しない」とおっしゃっている。だから、「やたら新しいことばかりやってけしからん」なんていうミスター世間は、いかに物事の表面しか見ていないかということでもあるんです。ひとつのことをやり続けることは、我慢じゃなくて、内在する日々の変化を楽しんでいる行為でもあることにまったく気づいていない。内面こそが大事なんです。

微妙に話それますが僕が釣りで言いたいことはココ、釣りなんてルアーフィッシングでもただ、投げて引いてるだけ、という風に思われてることが多いけど、その実、やってる本人は天候だとか、時間、ルアーの動くルート、糸を伝わってくる振動で水面下の状況を想像したりと処理しなければならない情報は多い。その一投一投が常に実験であって小さな変化を毎回毎回、ダイナミックに楽しむのが釣りだと思う。釣りの話じゃあないが、そういうところも言い表していると思う。さらには、飲みの席とかでこういう話をあまり熱く語るとうっとおしがられるのでこういう時にちゃんと書いておく。

堀江:
まず最初は、フジテレビみたいな巨大なメディアの株をフジテレビよりずっと小さなニッポン放送がいっぱい持っているっていうのに気づいたんですよ。なんだこりゃって。だってニッポン放送を買収すれば、それよりももっと大きなフジテレビが支配できるじゃんって。

茂木:
なんでそういう不思議なことになっているのかがわからない。

堀江:
要するに日本の資本主義ってそもそもおかしいんですよ。野口悠紀雄さんがよく言うのは、今の日本の社会って1940年体制がずっと続いているっていうことなんです。1940年って、太平洋戦争直前の国家総動員体制が取られた年。それ以前の日本ってそれなりに健全な資本主義を保っていたのに戦費調達のための社会に変えられちゃった。社会の仕組みがそうなったんですね。敗戦後、GHQが財閥解体をしたことで、さらにねじれて、会社同士の株式の持ち合い制度ってのが生まれたんです。

茂木:
そこでおかしくなった?

堀江:
たとえば三菱商事と三菱銀行と三菱重工が株式を持ち合ったら、投資家や一般株主のチェックが働かなくなって、仲間同士のなれ合いになっちゃう。人事もそうだし経営方針もそうだし、本来の資本主義の制度ではありえないノー・チェック体制ですべて進んでしまうんです。

現状の日本の経済の体制に関してこういう考察があるとは知らなんだ。この辺はもうちょっと他の本などで戦中、戦後の経緯などを勉強しても面白いかも。

また、社会の変化に対しての意見として、先の戦中、戦後の話や、坂本龍馬、明治維新の話なんかが出てくるがもっとこの辺の日本の社会の大きな変革の時期の勉強をしてみるのも面白いですな。

また、今読んでる「杉作J太郎が考えたこと」にも通じるんですが、お二人+杉作J太郎の3人は本当に自分の中のコアをよく見て、よく感じて、そこからの情熱、狂気を原動力として動いているですが、方やそのパワーが外向きなのに対して、一方はもうストイックに内向き。。。ま、この辺はまた「杉作J太郎が考えたこと」を読んだ後に書きたいと思います。。。

しかし、茂木健一郎を見直した本書。結構オススメ。茂木さんの他の著書も買う機会があれば読んでみたいですな。

嫌われ者の流儀 嫌われ者の流儀
堀江 貴文 茂木 健一郎

小学館 2011-06-14
売り上げランキング : 8552

Amazonで詳しく見る by G-Tools