RIP ・ Akiyuki Nosaka 2015年12月11日

野坂昭如氏がなくなりました。

宣言することもなかったけど、野坂昭如氏の歌と言葉は成人してからの自分の精神的な大きな柱になっていたように思います。

さらには作家という人種の怪しさも嫌というほど知らしめてくれた野坂先生。怪しい何をやってるのかわけのわからない大人の代表格。今でも下のお話をずっと自分にも当てはめながら考えて生きております。

あのー、人間あなたがたまだお若いからわからないでしょうけど、40歳ってのはものは、40にしてまどわずとか40になったら自分の顔に責任持てとかっていいますけど、40ってのは確かに、、40になってしまえばどうってことないのだけれど、40になる前にいろいろ考えちゃう年頃でもあるんですね。

あのー、僕ははっきり言って、機動隊に追っかけられて息がひいひい切れちゃった訳です。そのときに、これはひどいことになったと思って、それからなにをやろうかというふうな感じでやったのがキックボクシングで。僕は今25歳ぐらいの運動性はあるんですよ。

25歳ぐらいの運動性があったって、別にどうってことないんだけども、いつもあの、自分の体がもうダメになっている、ということから来る自分自身の精神的な衰えを、どうも受け入れるのがイヤで。ホント言うと、肉体の衰えというようなものと精神的な衰えから来る、精神的な衰えって言う言葉はおかしいかもしれないけれど、精神的な変化というものを受け入れながらおそらくあの、老いていくんだろうと僕は思うけども、僕の場合はそれにちょっと抵抗してみようと思って、

で、キックボクシングを始めたわけです。

野坂昭如「躁と鬱」−話− より

これほど野坂先生をリスペクトしてるというのも、自分でも余程の変人だとは思うがそれでもやはり野坂先生にはひとことありがとうと言いたいのであります。

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↑ 個人的にはこれが一押しの野坂盤。怪しさ満点の13トラック。

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↑ コレ次点。でもかなり個人的な点数は下がる。