社会派ちきりんの世界を歩いて考えよう! 2013年06月11日

Air Vanuatu in Sydney
“Air Vanuatu in Sydney” photo by Simon Clancy

これまたKindleで購入。この人のブログなんかはちょこちょこ見てたけど、初めて書籍を購入。600円ぐらいで安かったのでとりあえず。

【目次】
はじめに
第1章 お金から見える世界
第2章 異国で働く人々
第3章 人生観が変わる場所
第4章 共産主義国への旅
第5章 ビーチリゾートの旅
第6章 世界の美術館
第7章 古代遺跡の旅
第8章 恵まれすぎの南欧諸国
第9章 変貌するアジア
第10章 豊かであるという実感
さいごに 旅をより楽しむために
若者の海外旅行離れについて~あとがきにかえて

この本、著者が1980年代頃から海外旅行でいろいろな国に訪れて見て感じた景色が描かれている。

通貨、労働、政治、リゾート、美術館、遺跡、国、ちょっと併記していくのが難があるかもしれないけど、こういった視点で訪れた各国の
お家事情と過去、現在、そして自分たちの置かれた環境、「日本」をいろいろと考えてみた、というような内容になっております。

個人的には海外旅行ってのは、基本街歩きが好きで、古代遺跡や見どころ、観光地ってのにはそれほど興味がない。やっぱりそういうところって良くも悪くも観光客はお客さんでお金を払う立場でその場に参加しても「客」としてもてはやされて、それ以外の風景ってのは見れずじまいってことが多そうだからというのが理由。それよりかはちょっと離れた傍観者としてただぼさーっと街中を歩きながら

「あー、****って新興の通信会社って書いてあったけど街中ではかなり看板が多いなあ」
「50㎡、12/50 ***Street 4500、どの通りかわからんけど、50平米で家賃こんなもんなんかー」

とその国の生活や経済の片鱗を見ながら歩くのが楽しい。タイに戻ってから可能であればその国の株なんかを買ったりするのも楽しい。なので、この本に書かれているいろんな考え方は結構興味を持って読めた。しかし、この人かなりの数の国に旅行してるねえ。日本の場合行きにくい南米やイースター島とかにも行ってるみたいだし。自分には普通のガイドブックよりも文章に旅情を感じられて久々に海外旅行行きたいなーって気持ちにさせてくれたいい本でした。

個人的にはやっぱりアジアの章あたりで制度としてではなく、人から人への施しなどの習慣を実に日本人らしい「他人にお金を与えるってのが偉そうで見下してるように思われないか」ってな感情と現地の人間が遠慮の欠片もなくチップを求めてくる様に当惑しながら実に生真面目に考えてられるのがやっぱり旅行者としての観点だなあと感じる。これが現地に住みだすととにかく日常でめんどくさい局面が多いのでそういった当惑は通り越して無理くりにでも自分の中で答えを出して迷いなく対処しないと時間がかかっていけない。そういう事を認識できる点でも最初の旅行者の時の自分の気持ちと今生活している自分の気持ちの差異みたいなものも認識できて面白い本でした。んで、僕の場合よほどの事がない限りタンブン(タイ語で「徳を積む」、いわゆる施し)は「基本やらない」なんですが、服をひっぱられようが足を掴まれようが、まとわりつかれようが、目線も合わせず振り払って、場合によっちゃ体当たりで道を開けて過ぎ去る。こんな感じなんで感じ悪い日本人なんでしょうなあ。

社会派ちきりんの世界を歩いて考えよう!
大和書房 (2013-05-31)
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