文庫版 「スーパーくいしん坊」 2012年06月15日

実に久しぶりに牛次郎・ビッグ錠タッグのちょっと目立たない作品、「スーパーくいしん坊」を読んだ。牛次郎・ビッグ錠コンビの漫画と言えば「包丁人味平」や「一本包丁満太郎」が有名でこの「スーパーくいしん坊」は若干マイナー。とはいえ、以下のサイトでもがっつり取り上げているようにまだまだ旨みはたっぷりの作品であります。

勢いが命のグルメマンガ スーパーくいしん坊 part1:a Black Leaf

とりあえず主人公が中学生とは思えないぐらい立派な腹を抱えた中年体型、人相の悪さ、人の料理で喧嘩を売る、売られた喧嘩は漏れなく買うなど中学生という最初の設定を思いっきり置き忘れた話の展開が面白かった。そのくせ、料理の発想と言えばまさに厨房レベルのめちゃくちゃな料理法で今度は読者が置いて行かれる。「包丁人味平」なんかは連載が1973年から1977年だから、1975年生まれの僕ではこのへんはさすがにリアルタイムには読むことはできなかったが、この「スーパーくいしん坊」は1982年からの連載なのでまさにリアルアイムで読んでいた。そう、月刊マガジンだった。

本来単行本は全9巻。この文庫版は全2巻。え?入りきるのか?と考えたがやっぱどう考えても入らんよな。なんか適当に面白い話だけをセレクトしたものらしい。と言いたいところだが、内容を見てがっくり。火の玉チャーハンとか回転網焼きステーキみたいなサイケデリックなストーリー展開の話はカットされてて、まだなんとか比較的まともな話のみ採用されている。そりゃあ2巻しかないのならカットはしょうがないやろうけど、全然編集してる奴の観点がなってない。「スーパーくいしん坊」でまともな話だけ抜き出したって面白くないじゃないですか。グルメ漫画というよりはどちらかというとサイケか不条理漫画のジャンルに入るぐらいに認識してたらこういうセレクションはなかったと思うんだけど。。。ちょっと残念な結果。

スーパーくいしん坊(文庫版) 第01巻 目次
1.スタースパゲッティの巻
2.特製カレーライス!!の巻
3.名卵をもとめての巻
4.親子丼勝負の巻
5.ケーキ玉子焼きの巻
6.美味ステーキ勝負の巻(前編)

スーパーくいしん坊(文庫版) 第02巻 目次
1.美味ステーキ勝負の巻(後編)
2.ベジタブルスパゲティの巻
3.日中対抗ギョーザの巻

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