岡田斗司夫の「本当は10倍怖い火垂るの墓」を観て、なるほど心中モノかと思ったんだが、ふと自分は今まで日本の心中ものなんて観たことがなかったなと思ってとりあえず第一の名作から。
近松門左衛門の「曽根崎心中」。これ日本の古典ですな。中学だったか、高校だったかの教科書に出てくる名前ですな。
とりあえず80年代に映画化されていて、しかも大好きな梶芽衣子がヒロイン役であります。
で、これをiPadにダウンロードしてバンコクから東京に移動する飛行機の中で見てたんだが、はっきり言ってこの映画はこんな状況で見る映画ではないな。周りの人間も(ほとんどがタイ人と中国人)「なんかえげつないもん観てるなー」と思っていたことでしょう。
ストーリーはここのあらすじにあるとおり。映画でもほぼそのまま描いている。
まあこの主人公徳兵衛、世渡りが相当に下手で超真面目なのはいいけどお初への想いを絶対に曲げないのでどんどん泥沼方向に入り込んでいく。
そして金の貸し借りも下手くそで見事にというか、当たり前に騙されて大金を巻き上げられる。そして三行半を下さずに眼差しのおかしいお初。
この梶芽衣子のお初。これが超怖い。徳兵衛のダメさを理性的に修正してあげればいいのに「死にましょう!どうせ死ぬなら、他のものの手本になるように見事に死にたい」力強く言い放つ危険人物。どこ観てるのかわからないけど意志力だけは強そうな危ない目、ちあきなおみの歌ってる時などを思い出してしまう。恐ろしや。
最後の自決シーンももう生々しくて観てらんない。。。危なくて痛くてもう大変。こんなものを飛行機の中で観ていた自分を後悔しました。。アホですな。ワシわ。
しかし、なんでこんなストーリーが日本の古典として大々的に残ってるんでしょうか。。こういうのが伝統的な日本人のストーリーとしてマインドの片隅に横たわっているのは少し異常なんじゃないかと思いますが、日本人てそういうもんなんかもしれないですな。
とても怖くて痛かった映画ですが、せっかくなのでもうちょっと実験的な同じく近松門左衛門の「心中天網島」も観てみますが。。