クラシックの2ストのベスパに乗っていていまだに疑問なことがある。
それは適正なギアオイルは何mlが正しいのかということ。ちなみに自分の持っているベスパはSprint Veloce 150なのでこのあたりの年式のラージボディが対象ということで。
ネットでよく見るTipsではオイルが注入口の穴から垂れることがなくなるレベルの量で入れることを推奨している。これだとだいたいオイル量は180ml〜220mlぐらい。ただし、これだと自分の住んでいるバンコク、東南アジア仕様のベスパ(タイ、ベトナム、インド、インドネシアの交換部品をふんだんに使って現役のベスパ)ではオイル量が足らない。クラッチへの十分なオイル供給量が足らなくてクラッチがすべったり半クラが違和感だらけの症状になったりする。で、これは構造的に液面の高さとクラッチの設置場所の高さを比べてみると明らか。
ベスパは湿式のクラッチだと思ってたので、少なくともクラッチの高さの1/3ぐらいはずっとギアオイルに浸かっているのかと思っていたらまったく浸かってはいない。クラシックベスパは半湿式というのが正しい気がする。どうやってオイルが供給されるかというとドライブシャフトが回転する際にオイルがギアケース内部の上まで巻き上げられてクラッチにもオイルがかかるのだろう。実際クラッチカバーを開けてクラッチを取り出してみると薄っすらとギアオイルがかかっているのであまり多くないが、散布されたオイルで潤滑されているということなのだろう。
自分はバンコクに住んでいて、バンコクのクラシックベスパの聖地ヤワラートに修理やら部品の入手でよく出向くが、その界隈の修理屋でオイル交換をしてもらうと確実に400ml〜500mlのギアオイルをでかい注射器みたいなので注入する。この量だとクラッチの挙動は問題は出ない。反面、相当カッチり整備していないと液面の高さからオイル漏れに苦労することになる。500mlだとドライブシャフトのタイヤ側のベアリングの位置を超えてくるのでオイルシールがちょっとでも問題あるとブレーキドラム内にオイルがタラタラ。。
そこでYoutubeのFreakmopedのチャンネルが非常に貴重な動画をあげてくれている。
このベスパのクランクケースが1個犠牲になるテストを経てオイル注入量が220mlから500mlまで入れた際のオイルの液面の高さがわかる。
400mlでキックシャフトの穴の高さを超えてオイル漏れしやすくなるのでFreakmopedでは350mlが推奨量だと言っている。400mlでキックシャフトの高さ?というのは400mlも入れているのにそれぐらいの高さか、と感じる。自分はベスパのオイル漏れに散々悩まされてたので500mlとか入れればクラッチカバーの下限のちょっと下まで来るのかなと思ってたら以外とそうでもない。そして、400mlでそれだから200ml程度の規定量ではクラッチまではなかなか届かないのはとてもよく理解できる。オイル量とオイル漏れ、そしてクラッチの挙動を考えるとやはりFreakmopedが推奨する350mlがベストなんだろう。350ml入れると注入口から溢れてくるからどうやって入れるんだ?とコメント欄に質問があるが、車体を左に傾けて注入口の高さを高くして入れろと親切なご指導付きだ。
というわけで次はオイル交換を350mlで入れてみようと思う。その結果はオイル交換後1週間ほど走った後に書ければ書いてみたいと思います。