なぜクラシックベスパはエンジン始動時に右に傾けるのか?2023年01月14日

クラシックベスパのライダーの時々街中で見かけるこの光景。以前から、「これ何してるの?」と思っていたがクラシックベスパのラージボディと言われるモデルはエンジンやキャブレターなどが車体の右側に付いているので始動前に傾けてガソリンをキャブに送り込んでやる儀式だそうだ。しかし、「それってホントなの?」という疑問が。。そもそも傾けないとガソリンが入らないものなのか?そうなると普通に走行してるときにガソリンが入ってこないんじゃないか?

メンテナンスマニュアルや分解画像などを見ながら考えてみると、、

停車して数時間置くとキャブ内のガソリンが揮発してしまう(とくにフロートチャンバー内)??
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走行時のキャブへのガソリンの供給はエンジンが動いていればシリンダーへの吸気で負圧が生じるので大丈夫??
それでもフロートチャンバーへの供給はフロートが下がったときにフロートバルブが下りてその穴から重力で落ちてくるはず??
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フロートチャンバーからベンチュリー部分への供給がうまくいかないのを重力で補助してやるということだろうか??

改めてスプリントに搭載されているデロルトのSI20.20Dのキャブの構造図を見てみるとフロートチャンバーからベンチュリーまでちょっと長さがあってフロートチャンバーの液面よりも上に位置するような書き方がされている。ここ?これ?しばらく放置するとこの部分のガソリンが揮発するので傾けてガソリンを充填する作業なんだろうか?

実際に自分のスプリントでやってみる。

前の晩に駐車してから次の朝になって初めて始動する際、車体を傾けて10秒ほどおく。そしてキックするとチョーク引いてなくともちゃんとキック1発2発ぐらいでかかるのである。傾けないと、タイみたいに暖かい国でもチョーク引かないと簡単にはエンジンかからないのである。なので効果としてはテキメンなんだが、原理がいまいちわからない。。。やっぱフロートチャンバーからベンチュリーのトコかなあ。。。