クール井上―いましろたかし傑作短編集 2016年07月22日

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大学生の頃に友人にいましろたかしの作品を教えてもらってから、熱心なファンではないけれど、それなりにずっとこの人のマンガを読んでます。Wikiにあるとおりな、「初期は自意識過剰な若者の空回りを、近年は脱力した30代から40代の男性が主人公の漫画を主に描く。」、そんな感じなんです。ただ、最近のマンガは50代ぐらいの男性の行き詰まり感が行間にかなり描かれるようになってきていてご本人の加齢とともにその心象を映し出してるのではないかと思っております。

80年代のハーツアンドマインズ、この時作者も多分20代、描かれる作品中の人物たちも主に20代ぐらいの青年期。90年代の後期の釣れんボーイ、これ40代男のハーツアンドマインズで、マンガの主人公はマンガ家の暇城先生で基本的にご自身であろう。この頃はだいぶお気楽で脱力、というキーワードが似合う感じではありますが、2000年代の傑作短編集(以前は「クール井上」というタイトルで販売されてた)、この辺が50代かな。

作者の加齢とともに先々への不安みたいなものが、煮凍りのように煮詰まっていく感じが如実に感じ取れますな。クール井上も10年ぐらい前に紙の本で買って読んでいたが当初はジメッとした抜け切れない空気感が読んでて辛く、あまり好きではなかったが最近Amazon見たらkindleでも出てたんで再度読んでみたらそうでもなかった。この辺は自分の年齢が向こうに近づいていってるからか??

最近のいましろ先生の作品は「原発幻魔大戦」など珍しく社会問題などをテーマに書かれてますがそれでも自分のこと50%、社会問題20%、残りの30%は読後でも「うーんなんだったんだろ?」と首をかしげるような内容で相変わらずと言えば相変わらずなんですが、個人的に社会問題を取り扱うものは歌であれ、マンガであれ、全然気持ちが入っていかないのであまり好きな作品ではありません。。現在コミックビームで連載されてる「新・釣れんボーイ」のほうがトコトコしててずっと好き。

ちなみに新世紀トコトコ節なんて短編も収録されてます。

いましろたかし傑作短編集<いましろたかし傑作短編集> (ビームコミックス)” style=”border: none;” /></a></div>
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Kindleで濃いマンガ三昧 2015年07月09日

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Kindleにて432円のまんが道24巻、愛しり(愛…しりそめし頃に… : まんが道の続編)のそれぞれを読み切りました。

長編のまんがを中途半端に読み出したために止まらなくなってちょっと後悔したが一気にこれだけ読みきりました。しかし、いわゆる「オタク」っていうマニアに対する呼称はそもそもトキワ荘人脈が相互に呼び合う際に「おたく最近忙しそうだね」なんて言い合ってるここが原点?しかし愛しりの最後の終わり方が超中途半端で消化不良気味。

というわけでウェブで見かけた「レッド 1969〜1972」も読んでみました。今のところまだ完結していないようで8巻まで。このお話は学生共産主義運動、赤軍派の山岳ベースリンチ事件やあさま山荘事件に至るまでの青春群像劇、とされているが予想通り重かった。。

当時の世相の再現はイマイチで60年代後半、70年代という空気感はそれほど感じられないものの山岳ベースでの組織の閉鎖感はひしひしと伝わる。

これ読んでて思ったけど、あんまり人間ってルール守って高潔に生きていくんだっていうような生き方はしないほうがいいね。むしろどんな環境であってもどれだけ適当に生きられるかを考えてボサーッと生きてたほうがいい。閉鎖されて、追い詰められた空間、組織の中では大儀に忠実になればなるほど生きづらくて迷走するし、冷静で利己的な人間に上手く騙されて死んでいくだけのような気がしますな。

特に日本人は行き詰まると(自分ではなく)他人に統制のとれた行動を強要しがちな気がしますな。別に特定の思想団体だけでもなく、学校でも会社でもそう。みんなでわざわざしんどい方向に向きがちですな。こういうの見てると冷静に覚めた行動を取る、すなわち「逃げる」というのが大事な気がしますな。パッと考えて「ああしんど」って事ならバカ真面目に付き合わず一目散に逃げるのが賢い選択ですな、いじめも過労死も。

しかし、「レッド 1969〜1972」読んでて思いましたが、やっぱり追い詰められた閉鎖空間は怖い。うちらの親父の世代は赤軍派、学生運動、僕らの世代はオウムと若い世代は同じような悲劇を繰り返してますな。(ちなみにわたくし、1975生まれ。)

さて、今のところ「レッド 1969〜1972」を読みきってしまい、まんが道以上に中途半端な読後感なので次をまた探しております。次はアオイホノオあたりかな。

↑ 今になって気がついた。この「最後の60日」が続編なんだ。。。わかりにくい。。。

まんが道 Kindle版 2015年06月01日

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Amazonでなんかの本を検索してた時に偶然見つかった「まんが道」Kindle版。小学校の時に確か藤子不二雄ランドで読んだきりだからはっきり言って30年ぶりぐらいに読むかもしれない。

しかし小学校の頃結構熱心に読んだ気がするけど大学生、社会人になってそれなりに自由になる金も持って、小さい頃に見た本、マンガ、映画、音楽なんかを買い揃えたりもしていたが、ずーっとこのまんが道はお目にかかることがなかったな。って言ってもWikiとか見てると普通に2013年まで続いていたのね。

藤子不二雄 – Wikipedia
まんが道 – Wikipedia

改めて読んでみるとやっぱりようできてますな。これだけネットでいろいろ自己啓発系のサイトが溢れてて「成功するには」とか「好きな道をいく」などのトピックで論じられるポイントなんかが1970年代や80年代あたりの作品でもそれらの要素がばっちり散りばめられていて、プラス恋愛や、挑戦、挫折、努力、突破などの話の流れが青春物語で楽しい。

久しぶりにトランジスタが世に溢れる以前の社会のリアルなストーリーを見たような気がします。今ではPCが一瞬で罫線なんか引いてくれる世の中で、改めてカラス口をインクのボトルに突っ込んで画用紙に定規を使って線を引いていく描写を見てると世の中の変遷に愕然とするものであります。

カラス口 – Wikipedia
↑ カラス口、と言ってもわからない人のために。僕もマンガで出て来たら思い出せたけど映像がなければ「カラス口」と言われても思い出せなかったと思う。

現在Kindle版の9巻まで読破。止まらない止まらない。一冊432円。

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いましろ作品がKindleに! 2014年04月12日

なんとkindleにいましろ先生の著作が。まだ買えるのは以下のみですが、とりあえず電子書籍化は嬉しい。タイで買える。

タコポン 上巻 (1) (ビームコミックス)
KADOKAWA / エンターブレイン (2013-12-28)
ハード・コア 上 (ビームコミックス)
KADOKAWA / エンターブレイン (2014-04-26)
引き潮 (ビームコミックス)
KADOKAWA / エンターブレイン (2014-03-30)
原発幻魔大戦 (ビームコミックス)
KADOKAWA / エンターブレイン (2014-03-30)

ビームコミックスから出てるもののみってことですな。あ、でも日本に居る人もいましろ先生の本は書店でも散々探さないとないのでkindleで一発検索!あるかないかは瞬時に判別、という状態が嬉しいはず。日本に一時帰国した時もすでに本屋で欲しい本を探すという作業自体がめんどくさくてかなわん。もうネットで欲しいものあるかどうか一発でわかるシステムに慣れてしまって書店で過ごす時間なんてめんどくさいだけになってしまった。

とりあえずタイの連休、ソンクラン中に全作制覇するかな。

この勢いで「初期のいましろたかし」なんかも電子書籍化して欲しいもんです。

Windows 8 Tabletのブックリーダー、Pico Viewer と Windows アプリストアの地域設定 2014年03月11日

ebook

Windows 8 Tabletが非常に便利で毎日持ち歩いておりますが、まだまだWinタブレットのアプリストアにラインナップされてるアプリの数は少ない状態です。

標準搭載のPDFのリーダーアプリ “Reader” があるんですが、これはAdobeのReader(PDF)のタッチ版置き換えアプリみたいなもんで、自炊したPDF本などを読むにはもうちょいページめくりやブックマーク、メモ機能、特定ページに移動する機能が薄い感じがします。

タブレットのブックリーダーってのは日本語のPDF本を扱う物は基本的に読み方向が左から右、右から左からという選択ができないといけないのでちょっと選択肢が限られる。西欧人向けのブックリーダーの場合は英語などの横書きで左から右しか意識していないので日本語の縦書き書籍が非常に読みづらい。

んで、eBookリーダーアプリを探していたところウェブ上ではMetro Comic ViewerNyaluというアプリが人気があるようでした。

ただ、僕の端末からWindows アプリストアを検索してもこのリーダーがまったく検索に引っかかって来ない。最終的には

Control Panel > Region > Location

の設定でストアのロケーション設定が変わるようで、僕の場合これをThailandにしていて、Japanに変更すると上記のMetro Comic ViewerとNyaluが表示されるようになった。

それがわかるまでずっと代替のeBookリーダーを探していたんですが、そんな中唯一使えそうだったのが、Pico Viewerというアプリ。110THBだったので3.5USDぐらいかな?

Screenshot (10)

Screenshot (9)

ちゃんとBook Shelfの機能もあるし、デフォルトのページ送り方向と書籍ファイルごとにページ送り方向を定義できる。画面上でダブルタップをするとブックマークの追加ができる。ただしメモをページと関連付けておく機能などはない。PDFも読めるし、zip圧縮した自炊の漫画ファイルなども読めるためなかなか重宝します。

Metro Comic Viewerはまだ試していないですが、このPico Viewerのほうもなかなかいい感じであると思います。

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↑ SIMなしモデルです。