ダイナマイトショック!

コォケコッコーーー!!
ぶおん!ぶろろん!ぶろろん!ぷっぷーー!!

東の空が白み、道が綺麗に見えるほど明るくなってきた時、唐突にバスのエンジンがかけられ、はよ乗れと言わんばかりにクラクションが、、、。

そしてしばらく走ってベトナム-ラオスの国境。

ワシはビザを持ってるのでそのまま入国審査に向い、パスポートを手渡す。さっささっさとラオスのイミグレは処理してくれて、バン、バン、とスタンプをついて帰ってきたパスポートを見て、

「これ、一ヶ月のビザやんけ!!」

「お前ビザ持ってる?ビザが、
 1weekで32$
 2weekで43$
 1monthで56$
 かかるよ。」

って言ってたので、2weekのものを頼んだのに、一ヶ月とは、、。てことは1weekでも同じ一ヶ月ビザが取れたんちゃうんか??なんともええかげんな、、、、。

そんなワシの気持ちなど知るよしもなく、バスはラオスの国道をぶっ飛ばします。さあ、これでガンガン進んでくれよ!と思った瞬間、バスは停車。食事休憩、、、、。

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となりのフランス人も

「これ、ビエンチャンに着くの明日になっちゃうね、、」

と呆れておりました。しかも食事のために寄った町がとんでもない田舎町。自然と動物の宝庫であります。

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ラオスに入った始めのうちは、あまりに壮大な自然の風景に感動しておりましたが、どこまで行っても自然なんであります。それ以外何もない。入国後2時間ですでに飽きて来てとにかく

「早く着いてくれ!」

の一心であります。

と・こ・ろ・が、、、山道でバスは停止。前方にはバスを遮るラオス人。なんだ??バスジャックか??次の瞬間、

「スッパーーーーーーン!!!」

大きな炸裂音。隣の外人が

「Dynamite??」

と言いながらおどおどと不安な表情を浮かべております。やべえやべえ!山賊か?反政府ゲリラか?ワシの旅行も人生もここで終わってしまうのか??、、と冷や汗を垂らしながら考えていると、バスがぶおーんと動き出しました。

どうやら、落石で道路をふさいだ直径5mぐらいの岩を、近くの農民がダイナマイトで割っていたようです。ひと安心。ていうかラオスでは農村に普通にダイナマイトがあるのね、、、、。そんなこんながありつつ、バスは残りの8時間を猛烈なスピードで駆け抜け、なんとかビエンチャンに到着することができたのでした。

バス事情

さて、ベトナムのローカルバスにてラオス、ビエンチャンまでの18時間を移動するはめになってしまいました。後に他の日本人旅行者に聞くと、ハノイ〜ビエンチャン間は数あるラオスの国際路線の中でもかなりつらいものであったらしいです。

さて、バスがこれまためちゃくちゃUGLYな韓国製バス。韓国で廃車になりつつもまだ走るバスを買い受けて運行しているもので、さすがにサスペンションはへたってて、ないに等しいし、車内も各所ボコボコで快適とはほど遠いものであります。しかし、テレビとステレオだけはちゃんと動作して、夜中だというのに運転手がベトナムやタイのPVなどを大音量で流しまくります。

そしてビエンチャンまでの道のりで次々と客を拾い、すぐに通路まで人がびっしり状態。エアコンは車内の照明と連動してて、照明を消すとエアコンも消える。みな窓を開けるってな具合です。とにかく、

「着けばええやん。細かいとこ文句言うなよ」

という運転手の心の声がバスの各所から聞こえてくる気がします。しかし、これから比べると中国のバスは快適だった、、、。

1時間以上の距離のバスは必ずミネラルウォーターが付いてきて、5時間以上の距離のバスはパンが付いてきたりと至れりつくせり。当然エアコン完備だし、席の数しか客を乗せません。多分、2008年の北京オリンピックに向けて交通インフラもかなり整備されてきてるんでしょう。

ところがベトナムはまだまだ、

「バスは物(人)を目的地まで運べばそれでええねん!」

という感覚がぷんぷんします。とにかく中国を旅行した後だったので、正直このバスにはかなり気落ちして久しぶりに怒り心頭。

「くっそー、あいつら、何がベリーカンファタブルじゃ!」

と怒ってたんですが、よくよく考えると、

1.一応リクライニングはついている。
2.一応エアコンはついている。(時々Turn on される程度ですが)
3.ビッグシート(もっとひどいバスは座席がもっと狭いのかも、、)
4.カンファタブル(もっとひどいバスは、、、)

確かにウソではないなと、、暑くて寝苦しいバスの中で考えておりました。現にもう一台のバスが同じくビエンチャンに向かって併走してたんですが、そちらに乗ってた日本人の女の子は、

「バスの中にバイク乗せてるんですよ!しかもベトナム人、バスの中でタバコ吸うし、となりのベトナム人は胸触ってくるし、もう最悪!」

とのことで、ワシの乗ったバスのほうが少しカンファタブルか、、と変に納得しておりました。そしてバスは深夜に国境の町に到着。町のガソリンスタンドで止まり、エンジン停止。運転手は車から降りて、外のベンチで寝始める。

「???どないなっとんねん??」

後からわかったんですが、深夜に国境についたんですが、当然イミグレは閉まっております。なのでイミグレが開くまで時間調整ということで停車して蒸し風呂のようになったバスでみな就寝を余技なくされます。さすがに暑くてベトナム人も、他の外国人もバスを降りて路上で寝る人もおり、ワシもそれに紛れて路上でSLEEP。こんなところで海外初の野宿を経験するとは、、、、。

早く東の空よ、明るくなってくれ、、、、。

しつこいベトナム人 in HANOI 第三章

朝起きて、シャワーを浴びて、さあて朝飯かなー。

「おい!どこ行く?今からでもハロン湾のバスツアー間に合うぞ!いいバスだぞ!エアコン、ビッグシート、リクライニング!ベリーカンファタブルだ!」
「いや、朝飯食いに行くだけ、、。まだ決めてないよ!」

ああ、うっとおしい、、、。

気を取り直して街へ出てベトナムのサンドイッチなんぞを食らい、これまたベトナムのコーヒーを飲んで一服。やっぱメシはうまいなあ、ベトナム。宿に戻ると、

「お前どうすんだよ?もうすぐバスツアー出発するぜ!行くよな?な?な?」
「だ・か・ら、俺まだ何も決めてないって!」

ああ、うっとおしい、、、。

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部屋に戻ろうとすると

「お前、バスどうすんの?サパとかハロン湾とか、どっか行かないの?」
「俺、適当に町歩きだけしてても十分なんよね、、、」
「そうか、バスツアーに参加しないなら今日は部屋ないよ!」
「へ?あ、そうなの、、、」

最初に部屋を見たときから思ってたんですが、ほんとにこの部屋10$でいいのか?というぐらいの豪華な部屋だったので、こいつらが部屋に観光客を安く泊めて、ツアーブッキングで利益を出してるんじゃないかということが頭をかすめてましたが、まったくのその通りで、バスツアーに参加しないなら泊めないぞ!と言ってきました。

「じゃあもういいよ、、、。ホテル変える。」
「いやいや、グループの他のホテル紹介してやるよ。」
「俺、もっと安いとこがいいんだけど。A/C要らんし、Safetyだったら多少dirtyでも問題ないよ。あ、後静かなところがいい。」
「そうかそうか。じゃあもっと安いとこ紹介してやる。」

この時に断って自分でホテル探せば良かったかな、、、、。そして次のホテル。ちゃんと安いところを紹介してくれましたが、、、

「おい、お前どこ行く?ハロン湾のツアーか?サパにトレッキングか?それともVINHとかHUEに行くのか?バスあるぞバス!安い!うちで手配できるからこれ乗って行け!」

前と一緒やんけ!!ほんとにしつこい、、、。こんなしつこい奴らがゲリラ戦やればそりゃアメリカも参りますわ。そしてふとバスツアーのパネルを見てると

FROM HANOI TO VIENTIAN

の文字が、、、。

「ラオス行けるの?」
「イエス!イエス!ノープロブレムよ!」
「いくら?」
「お前ビザ持ってる?ビザが、
 1weekで32$
 2weekで43$
 1monthで56$
 かかるよ。ほんでもってビエンチャンまでのバスは17$。」

バス自体は高くない、、、。行こうかな、ラオス。ちょっとベトナムから避難して落ち着かないとこっちのペースにはめられっぱなしや、、、。

「バス、バス、エアコン、ビッグシート、リクライニング!ベリーカンファタブル!」
 
わかった、わかった、決めた!俺ラオス行くよ!ツアーバスなんよね?うるさいベトナムを離れて快適なバスでゆっくり寝れるよね???

それでとりあえず2weekのビザを取ってもらい、次の日に出発することになりました。

次の日、12時にホテルをチェックアウト。ラオス出発は19時にホテル前でピックアップしてくれるとのことで19時まで時間つぶし。ネットカフェ入ったり、公園でベトナム人の学生と話したり、、、。夕方ごっついスコールが来たので近くの店先に避難して雨宿り。そしたら店の前に座ってた女の子が「座って待ちなよ」と言ってくれたので座らしてもらって待つことに。ここでも日本人男性は金持ちで素敵だ、という話になり、その店の姉ちゃんを紹介されました。そしてコーヒーおごって
くれたり、ベトナムのお菓子をもらったり至れりつくせり。

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結局、紹介された姉ちゃんは断ったんですが、みんな外国人と話するだけでも楽しいよ、と言った感じで雰囲気が良かったですな。やっぱええ奴も居るでハノイ、、、。そして19時。ホテルに戻る訳です。

「おお!帰ってきたかジャパニー!もうちょっと待ってろよ!」

と調子よく声をかけてくるわけですが、、、。

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よくよく考えりゃ、ホテルは旧市街にあり、とうていバスが入ってこれるような道幅ではないんですな。「あれ?これバスは
ホテル前まで来れないぞ、、」とその時になって気づいたんですが、19時過ぎに一台のモトバイ登場。

「俺がバスんとこまで連れてってやるよ!」

嫌な予感、、、。とりあえず言われるままにモトバイにまたがり移動。これがまた、中々バスのところに着かない。ずーっと走り続けるわけです。ええかげん40分も走ったところで、

「これ、郊外のバスターミナルに行くんちゃうか???観光客用のツアーバスって普通ホテルから出発やんなあ、、、。もしかして、、、、」

そして予感的中。ハノイの郊外のバスターミナルに到着し、韓国製のボロバスの前でバイクを泊めて、

「これ、お前のバスだ!ラオス、楽しんで来いよ!」

ぶおーん、とモトバイは行ってしまう。バスは、、、、ベトナムのローカルバスやんけ!!!!

しつこいベトナム人 in HANOI 第二章

ホテルでシャワーを浴び、さてメシだメシだ!ってな感じで近くを歩き周り、屋台でフォーを食い、ビアホイへ!ベトナムのビアホイ、言葉自体は生ビールを表すんですが、大概ビアホイと言うと生ビールを出すビアホールのことになります。

さっそく歩いてビアホイ探し。すぐにジョッキ一杯3000ドン、1$でジョッキ5杯呑めるお値段のビアホイを発見。めっちゃ小さい店で観光客はおらず、地元のこってりしたおっさんたちが豆をつまみながらビアホイをぐいぐいやっております。ワシも腰を下ろしてビールを頼み、となりのおっさんたちとかんぱーい!こっちのビールは少々水っぽいので一瞬で呑めるんですな。何杯もおかわりしながらうまいうまいと言ってるととなりのおっさんたちも上機嫌。地元の酒とか地元のメシをうまいと言ってあげるとほんとにおっさんたちは嬉しそうな顔しますな。これはどこの国でも一緒ですわ。

そしてお店の息子が帰宅。外国人とわかるや否やすぐに話しかけてきます。お店で英語を話せるのはこの息子のみ。まだニキビのある若い兄ちゃんです。学校で英語を習ってるらしくたどたどしくも英語で話ができることをめっちゃ楽しんでるようで、いろいろ日本のことなども聞いてきたり、ベトナムの見所などもいろいろ教えてもらいました。そしてこっちは日本語を教えてたりしておりました。

「Hello、こんにちわ。KON-NICHIWA。」
「Thank you、ありがとう。ARIGATOU。」
「Let’s have a meal together、一緒にご飯食べましょう、〜」
「Do you go to the HOTEL with me?、ホテル行きませんか?、〜」

こんな感じで外国人に日本語教えるときは日本の女の子をナンパするときの言葉を教えてやると異常に喜びます。

後はおっさんたちの質問を英語でとりついでくれたりで中々楽しい会話とビールを味わいながら夜は更けて行ったのであります。帰りにはまた来いと言ってくれてハノイのガイドマップまでくれました。買うと2$ぐらいするので喜んでもらって帰りました。ベトナム人、中にはいい奴も居ります。

そして宿に戻ると、、、

「おい、お前どこ行ってた?ビアホイ?安いもん飲んでるな。それより明日どこ行く?ハロン湾のツアーか?サパにトレッキングか?それともVINHとかHUEに行くのか?バスあるぞバス!安い!うちで手配できるからこれ乗って行け!」

ああ、うっとおしい、、、静かに休ませてくれよ、、、。

「まだ決めてないから明日ね、、、」
「おい!バスのブッキングがあるから今決めないと間に合わないぞ!」
「俺は別に急がないからいいの!」

と言いながら部屋に避難。久しぶりのエアコン部屋や、、、、。気持ちええなあーーー。ぐっすり就寝。

しつこいベトナム人 in HANOI 第一章

さて僕はベトナムの国境の町、ランソンからミニバスですし詰めになりながらハノイを目指し、日も暮れて真っ暗になってからハノイ駅前に到着。

「さて、宿をどうしようかな、、、」

いろんな客引きを無視し続け、ハノイ駅前の市街マップを食い入るように眺め、昔地球の歩き方を見てたときに、ハノイはホアンキエム湖の周りがバックパッカー向けの宿が集中してるというのを思い出し、とりあえずそちらに歩いていく。

しかし、道が正しいのかもわからず、歩いても歩いても中々ホアンキエム湖まで出ることができん。しかも夜。今日は中国の南宁から何回も乗り換えてそれなりの距離を移動してるのでだいぶ疲れて、シャツやタオルからはものすごい悪臭が、、、。

さて、そこにモトバイ登場。

「どこ行くの?どこ行くの?ホテルか?」
「ホアンキエムに行きたいけど、この道で正しい?」
「大丈夫だけど、宿探しに行くのか?いいとこありまっせ!」
「俺、安いとこでないと泊まれないよ」
「安い安い!つい2ヶ月前にオープンしたばっかりの宿できれいな上に安いぜ!ほら見ろこの写真、この部屋で10$!いっぺん見てみろよ。ただでホテルまで連れてってやるから!」

内心10$は高いと思いつつ、かなり疲れてるので一泊だけいいかな、と考えておりました。で、モトバイにまたがってホアンキエムまで移動。やっぱりまだかなりの距離があった。連れてってもらった宿はほんとに新築されたっぽいかなりきれいな部屋。ほんとにこの部屋10$でいいのか???と思うほど立派な部屋でした。

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エアコンもついてるとのことで今日はここに泊まろうとチェックイン。しかし、考えてみればモトバイに乗った時点からハノイの人間の包囲網に捕われていたんですな。これからハノイでの生活はうっとおしい彼らに囲み込まれて落ち着く暇もない日々となりました。