いましろたかし先生の最新作 新・釣れんボーイ 2017年03月04日

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いましろたかし先生の最新作である「新・釣れんボーイ」がKindleでも販売されている。前作の釣れんボーイは1998年からコミックビームで連載されていて、下のような発言がございましてちょうどその当時ひましろ先生は40歳だったんだろう。

「釣れんボーイ」のひましろ先生は「もっと遊びたい。時間足りない。仕事したくねえ。」と始終おっしゃってられましたが、41歳の僕は今ひとりで仕事をしておりまして今の自分がまさに「もっと遊びたい、仕事したくねえ」的なマインドになっており、改めて読み返すと変なシンクロを感じる。

しかししかし、ここで「新・釣れんボーイ」であります。もうすでに20年ちかくの歳月が流れて久々に目にするひましろ先生の日常は政治への不満と金・仕事への不満と健康への不安、猫に囲まれた日常、頑張って釣りに出掛ける、みたいな感じ。いやー、今になって「釣れんボーイ」と同調する自分の20年後はこうですよ、みたいな未来予想図か?そう考えると読んでて非常に不安になります。

ひましろ先生は漫画家だから作品というストックがあるからいいと思うんだけど単なるサラリーマン、サービス業の自分は自分の体以外にお金を生むストックを何も持たないのでもっと辛い先が待ってるのかと。。。

そんな複雑な思いを抱えながらも久しぶりに読むひましろ先生が非常に楽しくいましろファンにイチオシであります。タイのバンコクでもKindleでちゃんといましろ先生の新刊が読めるのは嬉しいですな。願わくはトコトコ節やハーツ・アンド・マインズなんかもKindle化してほしいところです。

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久しぶりに引っ張り出したらScansnapのS1300iがぶっ壊れてました 2016年12月24日

Scansnap S1300_004

友人から紙の本を電子書籍にしたいと相談を受け、自分の持ってるFujitsuのScansnap S1300iでスキャンすることに。

最近でこそネット上でもあまりFujitsuのScansnapって名前を見かけなくなったがiPadが発売されてしばらくは電子書籍に関する話題がブームになり、Amazonなどが電子書籍サービスを開始するまではさかんに書籍の自炊が流行りました。

その際にデファクトスタンダードのように取り扱われたのがこのFujitsuのScansnapシリーズ。僕も買い求めて(約10,000バーツだった)、手持ちの紙の本をどんどん電子化させていきました。

で、改めて今日、スキャンしようと引っ張り出したら、全然紙送りしてくれない。あらあら?どこかひっかかってる?と思ってよく見てみると紙送り用のローラーのすべり止めゴムが長期間の放置により対抗のプラスチックのローラーに溶けて固着してしまってました。

どうしようもないほどデロりんと溶けているので、ひっついている部分をカッターで切り離し、変形したゴム部分はそのままでは回らないので思い切って取り外しましたが、まるで日向に置いておいたグミのようにネバーッ、デローッ、ってな状態。綺麗に溶けたゴム部を取り外しましたが、予想通りスキャン不可。電子書籍化断念。。。

壊れたとはいえ、ゴムが溶けるほど放置したScansnap、最近は出番がほとんどなく使用頻度がかなり低いので買い直しはしないつもり。今はもうkindleあったら困ることはないですな。

しかし、このScansnapいつ買ったんだっけ?とブログを読み返していると(こういう時にブログでちゃんと記録つけてると便利だ)、

Scansnap S1300を買った 2012年02月11日 | 野暮天ワールドワイド・YABOTEN the Worldwide

この通り、2012年02月11日となっておりました。4年と10ヶ月ほどでしょうか。まあ、それだけ持てば上等といったところでしょうか。いろいろと自炊体験を演出してくれたSnapscanに感謝であります。

で、壊れたSnapscan、とりあえずACのコネクタが独自のもの使っているのでACアダプタはeBayのオークションに出すことにして、本体も解体して使えるパーツはeBayでバラ売りしようかしらん。ちなみにeBayも検索しましたが今回壊れたパーツも売ってなければ、中古で10,000円強、新品だと今でも30,000円以上の価格がついているのでやっぱり買い直しはキツいなあと思った次第です。

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東電OL殺人事件 / 佐野眞一 2016年12月23日

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園子温監督の「恋の罪」がめちゃくちゃ面白かったのでもうちょっとこの物語のベースになった「東電OL殺人事件」の詳細を知りたくなってアマゾンのkindleで売っていた佐野眞一氏著の「東電OK殺人事件」を買ってみた。

実は映画に負けず劣らずこの犯罪ルポが面白いのだ。

それほどに事件の背景に隠された闇が多く、根本的に人を魅了させる要素が多い事件なんだろう。被害者の家族にしたら身内のあまり自慢できない
ようなプライベートを暴露して何が魅了させるだ、という話になるでしょうが、人間の欲望の根本を改めて考えさせてくれるような深い深い闇があります。

被害者の「昼の顔:一流企業のエリート女性社員、夜の顔:渋谷の道玄坂で立ちんぼで客を拾う売春婦」という両面性の不可解さの中にどんどんと著者自身も魅了されていっている。この本の一人称は著者自身で事件に対する著者の取材の進捗と、取材をこなすごとに事実を知り、より深まる著者の被害者への思い、そしてその著者がまさに殺人現場に立つ時の描写などが叙情的で、ぐいぐい読み進められます。

犯罪ルポっていうジャンルの本はこんなに面白かったのかと勘違いさせてくれます。(たぶんこの本が面白いのは根本的に事件の背景が他の事件にないほど不可解なことが多すぎるからでしょう)

事件としては1997年に起こったことなので改めて考えるとすでに19年もの歳月が経っている古いお話なのですが、今読んでもとても面白い。そして上の「恋の罪」も絶対これを読んでシナリオ書いてるな、と思うほど映画ともリンクしてます。映画見てから本を読むか?本を読んでから映画を見るか?僕の場合は前者でしたが、多分本を読んでから映画見るほうが1.3倍ぐらいは面白いような気がします。

とかく、映画「恋の罪」と書籍「東電OL殺人事件」両方ともがイチオシの面白さです。

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Kindle Unlimited で久しぶりに日本の雑誌をちょこちょこ眺めています 2016年12月07日

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立ち読み感覚

読み放題サービスで小説でもなく、ビジネス書でもなく、漫画でもなく、本屋に置いてある雑誌をちょっと立ち読みする感覚で雑誌をダウンロードしてものすごいスピードで読みます。ホントにザーッと舐めるだけ、みたいな感じ。

多分僕が日本に居てたらKindle Unlimitedで雑誌をこんな読み方もしてなかっただろうけど、海外に居る身なんで、立ち読みで雑誌をパラパラめくるってことができなかったのです。特定のWebやブログで評判になってる本はKindleで買いやすいけど、雑誌は買っても面白いのかどうかわからんのでなかなかオンラインでも買う気にならんかったのです。それがKindle Unlimitedのような読み放題だと気軽に雑誌が見れるのが新しいところ。

バンコクの紀伊国屋なんかで日本語の本や雑誌を買おうと思ったら日本の3倍ぐらいの値段がするので遠ざかってましたがKindleで日本語の本を日本と同じ価格で買えるようになり、Kindle Unlimitedで雑誌の立ち読みができるようになりました。

雑誌?質?Web?

こういうふうにAmazonのおかげで海外在住組にも日本語書籍の価格破壊が起こったりしてるわけですが、改めて日本の雑誌を見てみるとやっぱりお金と時間をかけて作られた誌面はWebのニュースサイトなどと比べて質の違いは感じますな。とはいえ、スタート地点は違えどコンテンツを届けるという意味ではWebも雑誌もメディアであることに間違いはなく、これからもどんどんコンテンツを核にして紙とWebやスマホアプリの境はどんどん溶けていくのだと思います。

最近特にFB上を流れるコンテンツがくだらないものが増えていて、それに自分のCPU時間を取られるのが苦痛になってる今日この頃、雑誌的なコンテンツの質とウェブなどのオンラインメディアの手軽さと速報性がうまく合わさったメディアが出てこないかと夢想したりしております。

出口汪 「論理力」のある人が成功する 2016年08月18日

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これまた久々に読んだ出口汪先生の著作。

この人、90年代前半の間で受験生をやっていた人なら結構記憶にあるかもしれないが、現代文の予備校講師としてすごい人気のあった先生で、実際に自分は現代文実況中継の参考書などでその名前を知り、ロジックで現代文を読み解いていくという説明が非常にわかりやすくてずっとこの人のやり方で勉強していた。

さらにこの出口先生が立ち上げたS.P.S.(スーパープレップスクール)という小規模の予備校にも講義を直接聞きに参加してたほど。さらには高校3年の受験をパチンコ狂いで失敗して浪人してた時代も代ゼミ江坂校で衛星放送中継の授業を受けていた。

この先生の教えていた現代文の読み解き方っていうのは何も受験勉強に限ったことではなくて、単純に文章を感覚じゃなくてちゃんとロジックで理解して読み解いていきましょう、ということで仕事してからでも普通に使うし、プライベートで本を読むときでも使うので普遍的な身に付けるべき知識、知能だと思うわけです。それを教えてもらった。そういう点ですごい信頼していて社会人になってからもこの人の著作を何冊か読んだ記憶があります。

で、この”「論理力」のある人が成功する”の内容なんですが、社会人向けの文章の読み方書き方を指南する本でもなくて、この出口先生の生い立ちを書いた自伝!予備校の先生(といいつつ読んでみると事業家としての側面もかなり強いと思いますが)が書く自伝!このカテゴリは今まであったでしょうか??その触れ込みだけで面白すぎてすぐに飛びつき、一気に最後まで読み切りましたわ。

出口先生は大本教の教祖出口王仁三郎の子孫(ひ孫らしい)でその幼少期の話やら、受験失敗で無気力な浪人モラトリアム時代とか、予備校講師からご自分の仕事をどんどん大きくしていく話など。当然僕が通っていたSPSの話も出てきたしこの辺は僕も当時を思い出しながら読める。やっぱり90年代前半で超予備校バブルだったんですな。

予備校講師という肩書の割に様々なネタをお持ちの出口先生のこの自伝は意外なほどに面白い一冊でございました。kindle unlimitedで読めるので特にkindle unlimited申し込んでる人にはオススメでございます。

しかし、出口先生の写真と出口王仁三郎の写真が瓜二つなのが素晴らしい。。。