引き潮 いましろたかし 2011年05月10日

うーん、これはダメだ。僕はこの「引き潮」に関しては何も感じられない。。

それでも何回かは読み返して見た。それこそ僕もこれに何かコメントをと思っても言葉が浮かんで来ない。

登場人物で出てくるエスパーがタバコで咳き込むシーンなど「気に病む」とイメージが被ることが多い。そしていましろ先生の生活を反映しているのか病院ネタが多い。言いたい放題、描きたい放題だった「釣れんボーイ」はたまらないほど面白く、共感の度合いもMAXだったが、「いましろたかし 傑作短編集」あたりから枯れたというよりもむしろ描きたいことが非常に希薄になってきているマンガという感じがして、それでもまだ傑作短編集の時はまだかろうじて面白かったが、もうこの引き潮になると面白いも何もすべてが希薄でますます大丈夫か?と心配になってきます。まあ760円という低価格が魅力か?

あまり、、、お勧めではないです。。。

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グチ文学 気に病む いましろたかし 2011年05月04日

大学の旧友がタイに遊びに来るというのでハンドキャリーしてきてもらった物。5月4日、じっくりと読んでみたが、これがもう凄いったらない。しょっぱなの文章から大変である。

本当はやる気もないのに文章仕事を引き受けてしまった。
俺は漫画家として27歳の頃から18年間、商業誌に描き続けてきたが一度もヒットはない。30歳の時に結婚して女房と共働きでやってきたからどーにかしのいでこられたとも言える。
自信はあった淡々と描き続けて作品点数を増やしていけばなんとかなるのではないか・・と割とのん気だった。
4年前に目がおかしくなって緑内障だと、診断を受けた。イヤになった。視野が徐々に欠けていく病気でシャレにならない。当然手は尽くしているが、ゆっくりと視力は失われていっている。毎日、気が重く、こわい。
仕事のペースが落ちて収入も減った。なにより気力が萎えた。誰の人生でもない。自分の人生だ・・とがんばる気持ちもあるが、どーでもいいや、くだらねえ・・とやけくそになる気持ちのほうが強い。

僕はタイまでやってきてこちらで就職し、給料もそこそこもらって日本で就職するより多分プライベートの時間も余裕がある。中々悪くない生活。多少日本語の本やら音楽、繊細な文化がこちらでは数少ないというのがデメリットではあるが、そんなに大きなものではない。つい先だってから釣りに狂ってみたり(それもいましろ先生のおかげだが)というようなこともある程度できるお金と時間がある。

しかし僕も年を取る。今でちょうど35歳、今年36歳。人間30ぐらいからほぼ明確に老いる時期に入る。頭髪、皮膚、内臓など故障が目立ってくるのもこれからの時期。僕も20歳、25歳、30歳、35歳の時期をそれぞれ考えると、確実に体力の落ちや体質の変化を実感している。

今、僕の収入を得る手段はサラリーマンとしての労働。これ一本。体が壊れてしまうと一気に生活が破綻するのは目に見える。そのようになったときの経済状況は?体調は?精神状態?将来の展望など中々想像できない状況が項目だけ思い浮かぶ。

そういうところを垣間見れるのではないかと思ってこのいましろたかし先生の「グチ文学 気に病む」を読んでみた。

この本は「釣れんボーイ」の続編である。名目としては単品の本になっているが、ここに書かれている内容をちゃんと味わうには「釣れんボーイ」を読むことをお勧めします。言い方は悪いが「釣れんボーイ」で元気だった頃のヒマシロ先生、病気をして今のご意見はこんな感じです、という内容。

「もともとやる気もないのに引き受けた」
「せこく長生きしたい」
「バイクが駐禁でレッカー移動&車はバッテリー上がりで釣行中止」

極めつけはこれ、

「400字詰め原稿用紙1枚を書くと5000円が貰えた。最初はがんばったがすぐに電池が切れた
釣り日記を書いて延々と字数を稼いでいたが、あまりにもつまらないのでなんとかしてくれ
と言われた」

あまりに露骨に記される心情にちょっとたじろいでしまうな。。ここまで書くか。。。ちょっと辛いところあれどこれを書ける(と言うか、あまりに正直すぎるほどに書いてくる)のもいましろ先生のみ。僕は一応面白いと思います。と同時に本当にいましろ先生この後に何か書くもんあるのだろうかと心配になります。。。漫画家や小説家などの書き物商売の人の最後の場所に行っちゃったんじゃないかと。。。

最後の書き下ろしの漫画はもう訳分かんないことになっちゃってます。。

とかく、まず先に「釣れんボーイ」を読むことをお勧めします。

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インドまで行ってきた! 堀田あきお&かよ 2011年05月03日

Pokhara

今年こそはなんとかインドに足を踏み入れてみたい。2011年度の目標としてこのブログにも書いていたが、その話をしていて、会社の上司(アジア旅行好き)からこのマンガを借りた。ありそうでない、なさそうであったバックパッカーを主人公にした漫画。実はこの作者、タイ在住者にはおなじみの夜遊び雑誌、Gダイアリーでアジアの歩き方的なこれまたバックパッカー(本人)をテーマにした漫画を連載している。

読む前に感じていたことだが旅行関連の本って誰が書いても似たり寄ったりの内容になるんじゃないの?ということ。というのもどこかの町に旅行してやれることは限られてるし、物をどう感じたかはあまり熱心に書きすぎても客観性がなくなってくるし、人それぞれで思い入れが強すぎると引く人も出てくるでしょう。すごい珍しい体験を書いても読んでる人全員が同じ体験を出来るわけでなし。。ということで書ける内容がやはりガイドブックなどと似たり寄ったりになる。まして金かけずに旅行しようとするバックパッカーの行動は大体同じような感じになってくる。

読後もその意見は変わることなく。やはり描かれてる旅情というのは自分もバックパッカー時代に散々味わったことばかりだった。と言うわけで個人的には凡百の旅行本だがインドでのバックパッカー旅行をやってみたいがなんかそれ関連の本を読みたい、という人には向いていると思います。。

インドまで行ってきた!―Asian deep walking (Big comic books―Back‐packer’s guide) インドまで行ってきた!―Asian deep walking (Big comic books―Back‐packer’s guide)
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「Delivering Happiness:ザッポス伝説」を読んで

やっとzapposのCEO、トニー・シェイの「Delivering Happiness(邦題:ザッポス伝説)」を読み終えた。僕はiPadの電子書籍版を買いましたが紙の書籍でも売ってます。バンコクであれば紀伊国屋書店では平積みで売られていました。

顧客が熱狂するネット靴店 ザッポス伝説―アマゾンを震撼させたサービスはいかに生まれたか 顧客が熱狂するネット靴店 ザッポス伝説―アマゾンを震撼させたサービスはいかに生まれたか
トニー・シェイ,本荘 修二 監訳/豊田 早苗 訳/本荘 修二 訳

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まずザッポスを知らない人には以下のサイトを

米国ザッポス「顧客にWOW!をお届けする」奇跡の経営,その本質を探る:In the looop:ITmedia オルタナティブ・ブログ

ザッポス本家のサイト

最初にいつも読んでいるブログなどの書評で「Delivering Happiness:ザッポス伝説」の書評が出回っていたのを読んだのをきっかけにiPadでの電子書籍版を購入。そもそも個人的経験からは大学生時代に某大手電気メーカーで販売したパソコンの使い方やトラブルの相談などを受けるコールセンター業務を経験したことがあるんだが、基本的にそこでの業務のまわし方は時間単位でいくつのコールを受けることができたかを基本とするセオリー通りの管理手法だった。大学生の自分はそこでとにかくユーザからの電話はとにかく短くするように教えられて、例えばPCの調子が悪いのでOSの再セットアップを行おうとするユーザからのコールを受けても、ちょっと操作してPC側のファイルコピーなどの作業待ちが発生すると、一度電話を切ってまたかけてもらう。次に同じ担当者につながる保証はまったくない。そういうやりかたでホントにユーザが納得してるのかが非常に疑問ではあった。でも今の今までコールセンターの効率は重視するが、顧客満足の点を重視する考え方は聞いたことがなかった。そういう中でこの「Delivering Happiness:ザッポス伝説」を見つけて是非読んでみたいなあと思った次第。

読み進めて行って序盤の子供の頃のエピソードやリンクエクスチェンジ、ザッポスの開始時点の話などはやっぱりおもしろくてぐいぐい読み進めて行けるがやはり中盤以降ちょっと引きが弱い感じがする。途中のレイオフの話やアマゾンとの株式交換による子会社化の社内発表の際のEmailがそのまま掲載されていて興味深いのだが、個人的には話のテンポというか流れが寸断されるようで(話自体は続いているがどうも流れの勢いが変わるようで)読み進める勢いが落ちる。とはいえ、非常におもしろい本であることは確か。後ちょっと分量が多すぎる気が。僕が読んでいたのはiPadの電子書籍版。フォントサイズを変更する事によって総ページ数は変化するんだが、僕が読んでいたフォントサイズでは約680ページ。この量はどんなに面白い本でも中だるみしてしまう分量だな。

ネット系ビジネスの本を読んでいてよく思うのはアメリカのベンチャーやる人間ってほんとにリスクが好きだなあと。ま、それだからベンチャーがベンチャーたる所以なんでしょうが。

私たちは誰もがリスクを取る事を恐れず、失敗することを怖がらずにいてほしいのです。失敗しないということは、必要なリスクを取っていないことを意味するからです。

日本人的にはリスクを取って人よりもビッグなリターンを狙う、という人間が少ないですな。ホントにみんなノーリスク型が大好き。確かに僕もハイリスクというのはちょっと踏み出しにくいのはあるが、無難な誰もが選ぶような選択肢、というのはあまりに自分がそれをやっている意味が感じられなくて嫌気が刺してしまう。だって、リスクが少なくて失敗しにくいということは誰でもができるということだから。

自分的には前向きなリスクテイクと前向きな目標を持てるようなマインド作りをやってかないとこれから先も仕事が忙しくなってくるだろうし、ストレスがたまってしまうでしょうな。ちなみに今の仕事ではストレスはございません。やりたいようにある程度はやらして頂いてます。ストレス溜まるような職場であれば辞めるべ。基本的には楽しい仕事だけをやりたい。楽しい仕事だけで会社も個人的にも商売およびキャッシュフローを成り立たせたい。

この本の中でトニー・シェイの生い立ちは9歳でミミズ牧場(養殖)のビジネスを作るときから始まっているそれからこの人はずーっといろんなミニマムな商売を試行錯誤でいくつもやってるんだが、こういう風に半分趣味で商売をTry & Errorしていく過程で失敗要因を排除していく練習ができてるんでしょうな。趣味的だからこそ時間を忘れて没頭したりできるし、人よりも思慮深く商売をマネージできるから差別化ができたり競合より秀でたりという側面も出てくるし。とかく商売はこなれればこなれる程上手になっていく?ワシ自身も早く自分の商売を始めんといかんなと思い直す次第。

ついでに書いて置くとトニー・シェイがレイブパーティーに開眼する下りがある。

グループの中で最も論理的で合理的と知られるこの私が驚いたのは、自分を押し流す抗いがたいスピリチュアルな感覚でした。宗教的な意味ではなく、そこにいる人たちはもちろん、世界中の人々と深くつながっているという感覚でした。

-中略-

規則的に刻まれる歌詞のないエレクトロニックなビートが心臓の鼓動をひとつにし、それが集まった人たちを一体化していました。

ああ、大学生の頃rainbow2000(1997年)で開眼した感覚を思い出した。短い文章でかっちり言い表してくれております。久しぶりにレイブパーティ行きたいなあ。バンコクはやってないかいの?やっぱパンガンか?

仕事始め 2011年01月04日

2011年初出勤。朝メシは抜きで自宅でコーヒー飲んで出かける。昼飯は同僚からおごってもらう。2011年シーロム一発目のメシは浪花に決定。なにはなくともカツカレー。浪花のカツカレー、最高です。そしてFoursquare浪花にチェックインしたらそのままMayorになってしまった。シーロム界隈のよく行く店が徐々に陥落していく。

まだ1月4日で業務が完全開始していない感じで業務中はちょっとぼんやり。社内でちょっと読書。正月に家族に日本から持ってきてもらった「ウェブで儲ける人と損する人の法則」(中川淳一郎)を読完。ウェブサイトで儲けるには?PVを増やすには?クリックを増やすには?というところをコンテンツという面からかなり具体的に書き出した本(テクニカルな面からの策はSEOとかアフィリエイトの効率的な張り方などになってくる)。基本、ネットニュースの記事検討はスポーツ新聞の見出しの検討と同じノウハウが活きてくるみたいだが、これは自分のウェブサイトには活かせない、というかこの手を活かしたくはないなあという所感。しかし、キレイ事なしの正直な経験に基づいたノウハウだと思える。そんな中でひとつ、

今や死語と化したが、「ロングテールの法則」というものがある。これは、かなり乱暴に解説すると「マイナーな商材・情報でも欲しい人はどこかに必ずいる」というものだ。だから、前述した「鰹の豆知識」なども欲しい人は必ず存在し、プロとしての情報を自社のウェブサイトにアップしておけば、そこには必ず誰かが来て、その情報を知りたい人から感謝されるはずなのである。

-中略-

これは個人でも同様である。第一章で、「特定の分野でのブログでの勝負ももはやついている」と書いた。それはモツ煮込みに関する情報だったりはするのだが、趣味でモツ煮込みの食べ歩きをやっている人、スパゲティナポリタンばかり食べる人、辛いものばかり食べる人など、その人の好きなことを徹底したトップクラスのブログは人気があるものだ。なぜなら、そのブログはその人が努力を積み重ねて、そして時間をかけて集めた壮大なるアーカイブだからなのである。

「ウェブで儲ける人と損する人の法則」(中川淳一郎) より

僕が今、まさにこのウェブサイトでやろうとしていることが書いてあった。基本的に見立て自体は間違ってないようですな。ただ、僕のタイでの経験、IT関連の知識出し、などをすべて書き出していってどれだけの人が見てくれるようになるのか。。。どれぐらい小遣い稼ぎができるのか。。。1年2年の経過観察が必要だと思いますな。このような箇所が気になりつつ、正月に持ってきてもらったもう一つの本、「ネットで成功しているのは〈やめない人たち〉である」(いしたにまさき)を読んでいくのである。

定時で仕事を終わって上司とSilom Complex裏のパパイヤでタイメシ+100 Pipersソムタムナムトックヌアガイパットメットマムアンなどなど。2人でボトル3/4ぐらい飲んで結構酔った。家に帰ってバタンキューで寝たが次の日が結構頭が重かった。。。

※ 非在タイ者の方以外にもわかりやすいようにキーワードにリンクを入れています。そのキーワードに関するほかのウェブページの記載を読むことができます。。。リンク切れてる際はご連絡ください。