オープンソース3Dプリンタ Anet Reprap Prusa i3A8 の組立 2017年03月08日

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さて、前回書きました3Dプリンターを開封していきます。中身は三段のお重のようになっていて中はパーツがぎっしり。

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↑ 一段目

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↑ 二段目

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↑ 三段目

1段目はヒートベッドとネジやワイヤーの類いとベアリング。2段目はフレームのアクリル板とLCD操作盤、メインボード、USBケーブルやドライブベルトなど。3段目はシャフト、Extruder、スイッチング電源、ステッピングモーターなど。

付属のSDカードに保存されてるパーツリストを印刷してパーツに抜けがないか検品作業。これがまたパーツ数が多いので一苦労。。1時間ぐらいかかった。

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↑ 検品検品。。。ネジ類はかなり多めに入っていた。

そして同じくSDカードにある組み立てマニュアルを読みながら組み立て。特段半田付けも必要なく、工具もkitに含まれているので難しいことは何もない。

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アクリル板の保護テープを剥がすのが面倒。。結構保護テープつけたまま組んでる人もいるみたいね。。。

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↑ メインフレーム。

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↑ Y軸ステップモーターの取り付け

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↑ヒートベッド用のフレームの取り付け

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↑ ヒートベッドも取り付ける

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↑ だいぶ飛びますが、とりあえずX軸、Y軸、Z軸の駆動系は完成。集中してたら写真撮るの忘れた。

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↑ スイッチング電源

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↑ こちらがArduino派生のメインボード

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↑ 電源系のコネクタモジュールのプラスチックが柔らかくて歪む。。

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↑ とりあえず電気系のパーツも取り付け完了。組み立ては完了。ケーブルがまだザンバラで落ち武者みたいですが。

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↑ ザンバラをちょんまげ結うようにまとめました。

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↑ またまた萌えるLCD。

とりあえず組み立て自体はネジの長さの指定が間違っている箇所があったり、スイッチを取り付ける説明が一個まるまる抜けていたりしたが、まあそれほど大きな問題はないです。いちばんの難関は3Dプリンターで出力されたパーツにシャフトを通す時でした。やはり積層整形なんでそれほど精度が良くなく、ぴったりの径のところにシャフトを通すのはかなり硬い。パーツを割らないようにしながら全身の体重をかけて押し込みました。

さて、次はソフトウエア上の調整をと思ってPCを繋げるのだが、全然繋がらない。。SDカードにデータ入れて印刷かけると動くんだが、PCからは何をやっても繋がらない。結局こちらはBaud rateを115200にすることで繋がった。デフォルト250000では繋がらず、マニュアルにすごく小さな字でBaud rateの指定が書いてあった。

調整でいちばん大事なZ軸のホーム位置(ヒートベッドとExtruderノズルのクリアランス調整)を終えて環境が揃ったので、待望のテストプリント。SDカードにテスト用のデータが入っているので、PCにReptier Hostというオープンソースの3Dプリンター管理ソフトを入れて実行。

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なんかしょぼい。。いや、かなりしょぼい。。。中身スカスカで硬いプラスチックのタワシみたいになりました。。まだ他に調整が必要なんか。。。

というわけでこれがオープンソース。いろんな改造やいろんなパラメーターを好き勝手に弄れますが、とかく調整が必要でパラメーターが多い。プロプライエタリな3Dプリンターはこういう調整もメーカー側がきちんとテストして調整した上で販売されてるだろうから箱出しすぐに印刷できるんでしょう。Reprapはそうはいかないですな。

で、印刷がしょぼいけんは単純に使ってるフィラメントのプラスチック素材に対して温度設定があっておらず、意図したプラスチックの射出量に届いて居なかった事が原因。しかしこの温度も高すぎるとノズルから射出されたプラスチックが糸引いて印刷物にバリが出たり最悪ノズル内で炭化してしまったりの問題があり、なかなか微妙。しかも同じ素材のフィラメントでもメーカーによって品質にいろいろバラツキがありそうな予感。。まだ使い始めなんで確信ではないですが、同じ素材のものを同じ温度設定で使ってもうまくいかなかったり。。

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調整後のピラミッド。なかなかしっかり出来ました。この精度でプリントできるなら満足です。

とりあえずドローンのパーツを作っていきます。。ドローンに限らず、何かのパーツをマウントしたいという際にネジ穴が合わないなどの問題はCADソフトでネジ穴をつなぐマウンタを作成して間に挟み込むパーツを自作して1つだけ作成して使うなんてことが出来て便利ですな。

AnetのPrusa i3 A8、こちらのKitは使用用途に即した十分な剛性を持った素材で、多少マニュアルの抜けがあったりするものの、今まで中華製品に対して危惧していた品質の問題などはほとんどなかったです。結果的にはこのAnetのA8には非常に満足しております。DIY系を楽しめる人にはぜひ!ただし、DIY系はヤダ!すぐに結果が欲しいという人にはこちらは向きません。というかまだ3Dプリンタという構造自体がDIY出来る人以外には向いてない気がします。

Gearbest Anet A8 3D Printer
Anet A8 3D Printer

オープンソース3Dプリンタ Anet Reprap Prusa i3A8 を勢い購入 2017年03月06日

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DIY、自作ドローンで遊んでいると、いろいろと足りない部品や既成の部品の「このアーム、あと5mm伸びてたら自分のマシンにぴったり合うのに。。。」みたいなことが多々あります。

そのへんの「ちょっと足りない感」を埋めることが出来るかもと思って3Dプリンタについて調べ始めたら3Dプリンタの世界もドローンと一緒でオープンソースのものとプロプライエタリなものとに分かれていて、オープンソースのものはハードから制御用のソフトまで全部規格がオープンで自分でパーツを用意しても作れるし、パーツを全部揃えたkitも購入できるし、当然メーカー側で組立まで済ました完成品を買うこともできる。

オープンソースの3DプリンタReprapはいくつかの派生があるがPrusaというモデルやKossel、Rostockというモデルは価格も安くてだいたい300ドル前後で入手できるという。しかも標準のkitを組み上げた後は、その3Dプリンタで部品をプリントし機能をアップグレード出来てプリンタ自身が自己拡張、自己進化していくということが可能なのであります。

と、ここまで調べてみたら当然触ってみたくなり購入を検討するが、中国のガジェット系通販サイトBang goodやGear Best、Ali Expressなどを見てみるとたしかにPrusaの3Dプリンタが300ドル程度で売られている。

が、ここでまたタイの輸入規制であります。前回Bang goodからプロポとドローンの機体のセットを購入して関税でストップがかかりキャンセルした失敗があったのでググってみるとやはりタイでは3Dプリンタで銃を作ったというニュース記事を意識してかちょうど2016年から規制がかかっているようである。細かいところまでは調べていないが事前登録をすれば輸入できるのかなんらかのライセンスが必要なのかは不明。ただ、なんらかの規制はあるようです。

なのでそのようなめんどくさいところにはできるだけ触れないようにして、タイ国内から調達する方法を検討。タイのガジェット系も取り扱う通販サイトLazadaで調べてみるとオープンソースのPrusaの3Dプリンタでさえ軒並み20,000バーツ(600ドル以上)越え。うーん、なかなか難しい選択だ。。。

Anet 3D Printer Anet A8-B-深圳爱能特科技有限公司

と探していると中国のAnetというメーカーが出しているPrusaでA8というモデルが未組立のkitの状態で13,990バーツ(400ドルちょい)で売っていたので、とりあえずそれをオーダー。個人的には完成品よりも自分で組み立ててみたいのでkitのほうがいい。Lazadaのことだから次の日に「確認したらやっぱり在庫切れてたからキャンセルね」なんて連絡が入ることも珍しくないので油断はできないがとりあえずはそこそこの値段でPrusaを購入出来ました。

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タイ国内での配送なのでとりあえず時間もかからず4日程度で到着。久しぶりの大物で箱もでかけりゃ重量も約10kgとずっしり。工作男子的なパッションがムクムクと沸き起こってきました。わくわくしてたまらないですわ。

とりあえず長くなったので後半に続く。


↑ Bang goodでも適正価格じゃないでしょうか。日本から買うならBang goodでいいような気がする。

3Mの超強力VHB両面テープがホンマに超強力 2017年03月02日

Placing the Audio Exciters

ドローンのパーツをネジ止めできない時に、フレームに両面テープで固定するためにバンコクのセントラルデパート内にあるB2Sという文具屋で3MのVHB強力両面テープを購入。3MのこのVHBというやつが強力でいいとどこかのウェブに書いてあったので何気なく購入してみたら、これがホントに超強力。

ドローンの部品なんかは小さくて接地面も小さいからまだ剥がすことは可能ですが、多分 5cm x 5cm とかのきれいな平面どうしを貼り合わせると、剥がすのは困難を極めます。

ドローンでもカメラの基板の端をフレームと接着とか、接地面積が極端に少ないのにクラッシュしても全然カメラが飛んでいかない。恐ろしい接着能力です。ドローンに限らずDIY系の作業が大好きな方は手元にひとつ置いておくと何かと重宝すること間違いなしな両面テープですな。

タイではドローンに続き3D Printerも海外からの輸入がダメらしい 2017年02月24日

Trio of hobbyist 3D printers.

ドローンのこまごました部品の作成に3D Printerを買おうかとおなじみのBang goodでいろいろ見比べていたのですが、タイ国内オンラインショッピングサイトのLazadaを見てみると格段にお値段がお高い。これは国内での購入はないなと思ってたのですが。。。

調べていくうちにこんな記事に出くわしました。。。

3ders.org – Thai government approves crippling import regulations on 3D printers due to gun fears | 3D Printer News & 3D Printing News

どうやらタイでは3D Printerの輸入に関しても規制がかかってるらしい。。今年の頭にBang goodからQX95というマイクロドローンとプロポのセットを購入しようとして関税でストップされてしまった嫌な思い出が湧き上がってきます。そう言えば昔3D Printerで銃を作ったやつが居たというニュースがありましたが、この輸入規制は勝手に銃を作ったりしないように輸入者は登録制になっている模様。めんどくせー。結局Lazadaで買うしかないのかなー。

一応買おうと思っていたReprap Prusa i3Xというモデルはハード自体もオープンソースなので自力でパーツを準備していけばkitを買わなくても作ることができるらしいが、みんなだいたい一台目はkitの3D Printerを買って、二台目はその一台目の3D Printerでプラスチックパーツを作成して組み上げている模様。何もない状態から3D Printerを組み上げるのはやはりつらそうな気がする。。。

うーん、中途半端に新しいものはこういう要らない規制がかかったりしますな。手を出すならもっと早くに出すべきか。2,3年前ならたぶんほとんどの人が知らず規制なんてまるでなかったでしょうから。。。

(タイの通例として完成品単体としてはストップがかかるが、部品ならオーケー、半分づつの不完全組み上げ品とかにして輸入するなら問題ないはず。。。しかし3D Printerはkitでの流通が多いから一台まるまる組み上げられるパーツとしての輸入は何か言われそうな気がします。。。)

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3Dプリンターって? 2012年10月16日

UP! 3D Printer

「フリー~〈無料〉からお金を生みだす新戦略」や、「ロングテール―「売れない商品」を宝の山に変える新戦略」などインターネットとリアルの社会の近未来を描くクリス・アンダーソンの最新作で、デジタルデバイスとインターネットで次は製造業にも革命が起きる!と説く「MAKERS―21世紀の産業革命が始まる」が近く日本語訳で出版されるらしい。

その本でも個人製作のツールとして紹介されているみたいなんだが3Dプリンターという機器があるらしい。これは3D CADなどのデータを読み込ませてプリンターが液体プラスチックを射出してそのデータのパーツを作成する事ができるみたい。Teenage EngineeringというメーカーはWebでCADデータをDLできるようにしてユーザー側で自分で交換パーツを作れるようにしているところもあるらしい。

シンセサイザーの交換パーツは「3Dプリンターでご自由にどうぞ」 « WIRED.jp

この3Dプリンター、安いものなら10万円ぐらいで入手できる模様。この3Dプリンタってのは以前からあったものなのか?それとも最近の技術革新で個人が簡単に購入できるぐらいまで低価格化してきたのか?少なくとも僕はクリス・アンダーソンの話で知る時点までは全くこんなものがあるとは知らなかったっす。。。

90年代中頃からパソコンが一気に普及しだしてホントの素人でも音楽や映像、写真などのソフトコンテンツを自由自在に加工、製作することが可能になったけど、こんどはついにハードの分野まで個人の資金力でも頭の中のアイデアを具現化するツールが揃ったと言う事ですかね。これとArduinoなんかを組み合わせて個人でオリジナルの家電なんかを作っていくことも可能でしょうね。とは言っても3Dプリンタで作成できる部品に関しては特定の素材しか使えないでしょうからやっぱり試作品レベルになると思われる。なのでどちらにせよ製品版を作成する場合には工場などに依頼する必要があるんじゃないかなと。それでも個人が頭の中のプロダクトのイメージを具現化してプロトタイプまで作成できる、というのは面白いことですな。ハードウェアの分野でも個人がここまでやることが可能になってきたんだなあとしみじみ。

クリス・アンダーソンの「MAKERS―21世紀の産業革命が始まる」で実際どのようなことが書かれているのか楽しみであります。英語版は電子書籍で入手する方法はありますが、やっぱり日本語訳の本が欲しいなあ。。。

MAKERS―21世紀の産業革命が始まる MAKERS―21世紀の産業革命が始まる
クリス・アンダーソン 関美和

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