阳朔事情

阳朔で宿を確保後、街をぶらぶら歩いていると、

「俺は阳朔で外国語学校の副理事をしてるんだ。日本人でしょう?君はどんな仕事をしてるんだ?仕事ないの?どう?中国語で日本語を教える先生ってのは?」

と気軽に話しかけてくる中国人。今からでも学校へ来て簡単な日本語を教えてやってくれ、代わりに中国語か中国の料理の作り方を教えてあげるよ、と言われ、おもしろいとは思ったけど、何があるかわからんので、

「今日は疲れたので、明日気が向いたら行きます」

とだけ答えておいた。その後、阳朔で屋台街みたいなところを発見し、日も暮れて来たので麻辣な味付けの串焼きとビールを頂き、屋台の子供達の写真を撮ってあげる。

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この子供がかわいくて、屋台でビール頼むと、まずお姉ちゃんが、瓶を持ってきて、その後弟が栓抜きを持ってきてあけてくれる。よく考えりゃ一緒に持ってきていっぺんに済ませればええやん、と思うんだが、入れ替わり立ち替わりで不器用に栓を開けてくれるところがかわいかったですな。そして宿に帰ってみるとドミトリーの同室で英国人のギャビンという27歳の兄ちゃんが居た。彼は阳朔に住む中国人のガールフレンドを連れており、その子がメイファという22歳(だったかな?)の女の子でありました。そして中国語が堪能で中国と日本を行き来して輸入業をやってるという男の子が居て、4者間で中国語、日本語、英語のクロストーク。中国語堪能な男の子がメイファから聞いた話だと、やっぱ男は金を持ってないといけない、とのこと。その男の子が適当に日本人の30代ぐらいの男は普通1000万円ぐらい貯金持ってるよと吹き込んだらしく、しばらくしてからメイちゃんが

「うちの実家に遊びに来ない?妹を紹介するわ。気に入ったらお付き合いしてあげてよ。」

という。中国語堪能な子に、

「阳朔ではよく中国人に声かけられるけど、大丈夫かなあ」

と相談したところ、中国の中でも、阳朔、大理、麗江という場所は中国人にとって外国人との出会いの場所らしく、みんな外国人には優しくして、うまいこと結婚して中国を抜け出したい人達がいっぱいなんだと。ほんでもってなるほど、それで親切にも「うちに来ないか?」みたいな話になるのか、まあ何かあっても命まで取られることはないかなと結構適当に考えてメイちゃんのうちについて行くことに。それにギャビンも一緒に行くといってたので外国人はワシだけでもないし。次の日レンタサイクルでギャビンとともに市街を抜けて一時間、農村へやってきました。

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これ、メイちゃんの実家の屋上から撮った写真で、とにかく景色が素晴らしいんであります。しかも静か。風の音、鶏の声、虫の声、それ以外は何も聞こえてきません。道は未舗装、先日雨降ったんでかなりぬかるんでますが、なんとか車は通れます。そして昔日本でもかいだことのある、堆肥の臭いがそこかしこから漂って参ります。ほんでもってしばらくすると、家族全員で晩ご飯。家は中国らしいレンガ造りですわ。しかもこの、メイちゃんの実家で出された料理、大皿にどかっと盛られた飾り気のない料理ですが、どれを食ってもうまくて、今まで中国で食った食事の中で一番うまかった。洗練されてるとは言わないが、なんというか、土の味がするというか滋養たっぷりで素晴らしくうまい。その後、掘り出したばっかの土のついたピーナッツなんぞも頂き、”土”はさすがに腹壊すかなあ、、と心配になりながらもごちそうになりました。

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そして写真で、ワシの左に居る子が、メイちゃんの妹、シャファちゃんです。メシの後に、プレゼントをくれました。その中に彼女が7,8歳ぐらいであろう時の写真が入っていて、そのあまりのおぼこさに笑いそうになりながら丁寧に礼を言って宿へと戻りました。なかなかおもしろい体験をさせてもらいました。