「Delivering Happiness:ザッポス伝説」を読んで

やっとzapposのCEO、トニー・シェイの「Delivering Happiness(邦題:ザッポス伝説)」を読み終えた。僕はiPadの電子書籍版を買いましたが紙の書籍でも売ってます。バンコクであれば紀伊国屋書店では平積みで売られていました。

顧客が熱狂するネット靴店 ザッポス伝説―アマゾンを震撼させたサービスはいかに生まれたか 顧客が熱狂するネット靴店 ザッポス伝説―アマゾンを震撼させたサービスはいかに生まれたか
トニー・シェイ,本荘 修二 監訳/豊田 早苗 訳/本荘 修二 訳

ダイヤモンド社
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まずザッポスを知らない人には以下のサイトを

米国ザッポス「顧客にWOW!をお届けする」奇跡の経営,その本質を探る:In the looop:ITmedia オルタナティブ・ブログ

ザッポス本家のサイト

最初にいつも読んでいるブログなどの書評で「Delivering Happiness:ザッポス伝説」の書評が出回っていたのを読んだのをきっかけにiPadでの電子書籍版を購入。そもそも個人的経験からは大学生時代に某大手電気メーカーで販売したパソコンの使い方やトラブルの相談などを受けるコールセンター業務を経験したことがあるんだが、基本的にそこでの業務のまわし方は時間単位でいくつのコールを受けることができたかを基本とするセオリー通りの管理手法だった。大学生の自分はそこでとにかくユーザからの電話はとにかく短くするように教えられて、例えばPCの調子が悪いのでOSの再セットアップを行おうとするユーザからのコールを受けても、ちょっと操作してPC側のファイルコピーなどの作業待ちが発生すると、一度電話を切ってまたかけてもらう。次に同じ担当者につながる保証はまったくない。そういうやりかたでホントにユーザが納得してるのかが非常に疑問ではあった。でも今の今までコールセンターの効率は重視するが、顧客満足の点を重視する考え方は聞いたことがなかった。そういう中でこの「Delivering Happiness:ザッポス伝説」を見つけて是非読んでみたいなあと思った次第。

読み進めて行って序盤の子供の頃のエピソードやリンクエクスチェンジ、ザッポスの開始時点の話などはやっぱりおもしろくてぐいぐい読み進めて行けるがやはり中盤以降ちょっと引きが弱い感じがする。途中のレイオフの話やアマゾンとの株式交換による子会社化の社内発表の際のEmailがそのまま掲載されていて興味深いのだが、個人的には話のテンポというか流れが寸断されるようで(話自体は続いているがどうも流れの勢いが変わるようで)読み進める勢いが落ちる。とはいえ、非常におもしろい本であることは確か。後ちょっと分量が多すぎる気が。僕が読んでいたのはiPadの電子書籍版。フォントサイズを変更する事によって総ページ数は変化するんだが、僕が読んでいたフォントサイズでは約680ページ。この量はどんなに面白い本でも中だるみしてしまう分量だな。

ネット系ビジネスの本を読んでいてよく思うのはアメリカのベンチャーやる人間ってほんとにリスクが好きだなあと。ま、それだからベンチャーがベンチャーたる所以なんでしょうが。

私たちは誰もがリスクを取る事を恐れず、失敗することを怖がらずにいてほしいのです。失敗しないということは、必要なリスクを取っていないことを意味するからです。

日本人的にはリスクを取って人よりもビッグなリターンを狙う、という人間が少ないですな。ホントにみんなノーリスク型が大好き。確かに僕もハイリスクというのはちょっと踏み出しにくいのはあるが、無難な誰もが選ぶような選択肢、というのはあまりに自分がそれをやっている意味が感じられなくて嫌気が刺してしまう。だって、リスクが少なくて失敗しにくいということは誰でもができるということだから。

自分的には前向きなリスクテイクと前向きな目標を持てるようなマインド作りをやってかないとこれから先も仕事が忙しくなってくるだろうし、ストレスがたまってしまうでしょうな。ちなみに今の仕事ではストレスはございません。やりたいようにある程度はやらして頂いてます。ストレス溜まるような職場であれば辞めるべ。基本的には楽しい仕事だけをやりたい。楽しい仕事だけで会社も個人的にも商売およびキャッシュフローを成り立たせたい。

この本の中でトニー・シェイの生い立ちは9歳でミミズ牧場(養殖)のビジネスを作るときから始まっているそれからこの人はずーっといろんなミニマムな商売を試行錯誤でいくつもやってるんだが、こういう風に半分趣味で商売をTry & Errorしていく過程で失敗要因を排除していく練習ができてるんでしょうな。趣味的だからこそ時間を忘れて没頭したりできるし、人よりも思慮深く商売をマネージできるから差別化ができたり競合より秀でたりという側面も出てくるし。とかく商売はこなれればこなれる程上手になっていく?ワシ自身も早く自分の商売を始めんといかんなと思い直す次第。

ついでに書いて置くとトニー・シェイがレイブパーティーに開眼する下りがある。

グループの中で最も論理的で合理的と知られるこの私が驚いたのは、自分を押し流す抗いがたいスピリチュアルな感覚でした。宗教的な意味ではなく、そこにいる人たちはもちろん、世界中の人々と深くつながっているという感覚でした。

-中略-

規則的に刻まれる歌詞のないエレクトロニックなビートが心臓の鼓動をひとつにし、それが集まった人たちを一体化していました。

ああ、大学生の頃rainbow2000(1997年)で開眼した感覚を思い出した。短い文章でかっちり言い表してくれております。久しぶりにレイブパーティ行きたいなあ。バンコクはやってないかいの?やっぱパンガンか?