映画「冷たい熱帯魚」 2013年08月16日

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久しぶりにhulu.jpを覗いてみたら前々からみたかった冷たい熱帯魚がアップされていた。ちょうど土日で急ぎの作業が何もないので早速見て見た。

この映画のストーリーはあの有名な埼玉の愛犬家連続殺人のエピソードをベースにした映画で、僕は以前タニヤの古本屋でこの映画の主人公に当たる人物が書いた愛犬家連続殺人の文庫本を購入してよんでいる。

埼玉愛犬家連続殺人事件 – Wikipedia
愛犬家連続殺人 志麻永幸 2012年08月22日

それを前提に見ていくと、実話をベースにしている、とあるけどもストーリーの前半はほぼ再現である。だいたい本に書かれている殺人のエピソードは描き切ってあるし、でんでん演じる村田が実際の犯人の写真と綺麗にかぶり、こってこての中年おやじが軽快にサービス精神満々に喋りまくる絵が中々に気持ち悪い。でんでん、ええ演技しますな。この映画の中で印象に残る出演者はでんでんのみ。それ以外は無難に想像通りのシナリオ、演技ででんでんいなかったら本当にただの量産型Vシネという印象。

この映画、愛犬家連続殺人のお話ということで僕みたいに本を読んで前知識を入れてから見る人はびっくりするだろうけど、後半からほぼオリジナルに近いストーリー展開を見せる。途中から、これ、締めくくりはどうするのかなあと思っていたけど、そうかそうかこっからオリジナルな展開にして行くのね、と思ってたら、最後まで結構疲れる展開で、救いもなく、イマイチキレの悪い終わり方だった。。

細かい描写(でんでんと吹越満が山中で殴りあうシーンなど)、ディテールの描き方はなんか身につまされるような感覚を覚えるほど、うまい演出してるのに後半のシナリオはちょっと残念かなあ。

Wikiなんかに書いてあるのをみると、「もし再編集することが可能なら、でんでん演じる男が吹越満演じる男に刺殺され、黒沢あすかが笑っているくだりでエンドロール、という形にしたいと、2012年『映画秘宝』7月号の『恋の罪』DVD発売に際したインタビューで語った。」とあるけれども、以外と後半のシナリオは本意じゃなかったのかもしれない。

でもよくよく考えるとそこで終わることを考えると、この映画でオリジナルのシナリオはほとんどないので、監督(上のインタビューが監督のものだと仮定するならば)は、シナリオ云々の目的ではなく、この事件の異常な絵面を詳細に描きたかったのかもしれないですな。

とはいえ、見てる最中なんどもすげえなあと思えるシーンがいっぱいあって十分見応えのある一本であります。

ただ、この週末先の神戸連続自動殺傷事件の本を読み、そしてこの映画と、ちょっと思いものばかり見ているので流石に疲れてきました。。ここらで彼女とゆっくりタイの超有名な古典映画 คู่กรรม クーカムでも見て休憩することとします。。。

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