Born To Run 走るために生まれた -ウルトラランナーVS人類最強の“走る民族” 2013年08月01日

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バンコクの紀伊国屋の洋書コーナーで、YOGAの本を物色していた際に目に止まった本。”Born To Run”というブルース・スプリングスティーンとも被るタイトルのマラソン・ランニング関連の本ということで読んでみたいなあとは思っていたが、Kindleで検索してたら普通にタイトルが出てきた。というわけで即購入。嬉しい、ちゃんと日本語版が読める。

“Why does my foot hurt?” という筆者の疑問からすべてのストーリーが始まっていて、舗装路を走るマラソンのみならず、山野を走るトレイルランニング、50マイル(約80km)走や100マイル(約160km)走のお話、メキシコに居る100マイルなどを原始的なサンダルひとつで昼夜を通して走り切る部族のお話、そしてナイキに喧嘩売るようなクッション性の高いランニングシューズが足を過保護にするから様々なランニングに起因する怪我が起こるんだ!というような内容がてんこ盛り。

読んでいくと筆者のランニングの際の慢性的な怪我に絶望してる様子が少しずつ、アメリカのウルトラマラソンランナーとメキシコのタラウマラ族の関係を綴っていく中で希望へ変わっていく様が手に取るようにわかってなかなか引き込まれる工夫もたくさん。特に今ランニングを始めている僕にしたら楽しくて楽しくてグイグイ読める。

確かに人間が苦しい思いを押しても20kmや42.195kmを走る理由ってわからないんですわ。僕も聞かれたところで返答に困る。適当に健康のためと答えるぐらいだけど、また走りたいと思う気持ちの根源は突き止めないまま。ま、それをかなり前向きに感動的に物語の後半にうまく締めくくってくれている。

しかし、僕が「Nikeのシューズはソールのパターンの切り込みが深くて犬のクソを踏んだらパターンの奥までクソが入り込んで嫌な思いしそう」と言っていたあのNikeは多分Nike Freeだったんですな。ソールの切り込みが深くてぐにゃぐにゃと曲がり、ベアフット感覚でランニングが出来る、という触れこみのものだったんですな。

このBorn To RunではNikeのあのクッションの厚いソールに問題があって、神経が集まる足裏を過保護にするなと、逆に裸足になって走るほうが足の感覚を活かして自然に怪我を回避する人間の走りが出来るんだと真っ向から喧嘩を売っていた。このスポーツ産業界の巨人に対して喧嘩売るという感覚もすごいけど、まあこの本が刊行されたのはそういうベアフットランナーの指摘があって、Nikeもベアフットの流行に乗った商品を出して「裸足もアリです!」と開きなおった後だからいいのかもしれないけど。。。

しかし、ランニング、マラソンをやってる人間には「明日も走ろう」と前向きにさせてくれる良書。読んでて非常に楽しい。

タイでもカオヤイ国立公園で来年の2月にNorth Faceのスポンサーで100kmのウルトラトレイルマラソンが開催されるので、10kmか20kmのランには出場してみたいとも思ったり思わなかったり。。。

Go Adventure Asia – The North Face 100® – Thailand