地獄のデンティスト

「あんた、歯ぁ汚いから歯医者に行っといで!」

と彼女に怒られ、アパートの近くの歯医者へ歯石を取りに行ってきました。思えば、32年の人生、歯磨きなんぞ気にかけたこともなく、歯ぁなんぞあってあたりまえという考え方のもとに生きてきたところ、鏡で自分の歯をのぞき込めば、歯茎と歯の間になんやらはさまってるものが見える。そして今までの喫煙歴を物語るかのようにヤニ(と思われるもの)が沈着して真っ黒になっとりますわい。自分でも「汚っ!!」と考えておりました。んでもって先のとおりに宣告されたのもあり、前々からこの汚い黒い部分は歯石であろうとネットなどを調べてアタリはつけてあり、ここいらでいっちょ、32年分の汚れを落とすかい!と立ち上がったわけでございます。まあ、歯石取るのは痛みはないらしいが、歯茎と歯の間にある歯石を取る時は痛みと出血が伴うと言うことらしい。。。まあワシの場合は結構痛かったりするかな。。。と考えながら、ドキドキしてスケーリング(歯石取りのこと)スタート!

痛、痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛痛!!!!

痛かったら左手を挙げろと言われていましたが、とにかく、始めから痛い!歯茎をレーザーメスで焼き切られるのってこんな感じちゃうんか??と思うような痛さが襲う。

ちゅいーーーーーーーーん!!!ごご、ごりごりごり!!!
「んが、がが、がぎぎぎぎぎ、、ぎぎ!!」

とマウスピースみたいなもんを噛まされてることもあって声にならん声で痛みを我慢する。手はがっしりと握りしめ、ズボンをつかんだり、離したり、汗びっしょり。しかし、歯を綺麗にしようと思うといつかはこれをやらんといかんのやし、我慢するしかあらへん!と思って十数分。上の歯の右半分が終わったのか、起こされて「うがいして」。コップの水を口に含み、ぐちゅぐちゅ、ぺっ!とすると、出血も相当なもんらしく、吐きだした水が真っ赤。

「うええ、ジーンシモンズみたいや、、、」

と考えてると、「痛いですか??」と聞いてくるので「ごっつ痛いです」と言い返すものの、そのまま椅子を倒され、今度は上の歯左半分。この先生はワシの答えを聞いてるのだろうか???

ちゅいーーーーーーーーん!!!ごご、ごりごりごり!!!
「んが、がが、がぎぎぎぎぎ、、ぎぎ!!」

戦場で負傷した兵士が麻酔なしで手術を行う時の耐え難い痛みと言うのはこういうものか?などと考えながら気を紛らわすものの、とにかく痛い!上の歯が終了して、再度うがい、やはりジーンシモンズのようだ。ワシがあまりの苦痛に悶絶している姿を心配したのか、

「今日は上半分だけにしましょうか??」
「・・・・・はい。」

一気にこの拷問を終わらしたい気もあったが、先生からの問いかけに正直に頷く。というわけで地獄の歯石取り前半戦終了。あああ、こんなことが待ち受けてるなら歯を磨こう。。。年を取るとともにどんどん体の大事さがわかってきますな。その日の晩に会社に持って行く新しい歯ブラシとリステリンも購入。

しかし、このリステリンって。。。(続く)